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ノーマルD テクニカルD スペシャルD 曜日 ゲリラ・降臨 コラボ コイン その他 協力 レーダー 実施終了 旅立ちの塔火のダンジョン水のダンジョン木のダンジョン光のダンジョン闇のダンジョン試練の塔 ウルカヌ火山ネプトゥ氷河ディメテル樹林聖者の墓プルトゥ渓谷巨人の塔 ネルヴァ灼熱林メルクリア海底洞窟霊峰バッケスアポルォ双神殿ディエナ双神殿魔王の城 陽炎の塔極夜の塔森羅の塔聖者の墓 -深層- ヒュペリオ溶岩河オケアーノ大瀑布クローノス大密林レア・テミス寺院クレイアス監獄天へと続く塔 天上の海原ヴェスティーア大空洞プローセル凍土マルースクレーター空中都市ジュピテルジュノース島星空の神域 伝説龍の足跡天空龍の領域神王妃の不夜城勇者のアジト伝説の航路伝説の大地 練磨の闘技場極練の闘技場 stage1 豊穣の大地氷の大迷宮紅蓮街道名も信仰も無き神殿宵闇の森深淵の魔王城樹水の祠水火の祠炎樹の祠三界の神殿 stage2 ヒュプノ原生林ネレウスの入江ヘーメラウ火山地帯アイテール砂漠タロス奈落穴イーリスの虹の丘封印の塔風樹の塔水氷の塔猛炎の塔魔石龍の大洞窟 stage3 裏・深淵の魔王城裏・樹水の祠裏・水火の祠裏・炎樹の祠裏・三界の神殿裏・ヒュプノ原生林裏・ネレウスの入江裏・ヘーメラウ火山地帯裏・アイテール砂漠裏・タロス奈落穴 EX1 機械龍の巨大基地歴龍の大魔境戦国龍の領土龍騎姫の聖地神秘龍の史跡海賊龍の潜窟華龍の庭園蟲龍の密道 EX2 神王の空中庭園聖獣達の楽園伝説の山道伝説の丘陵伝説の空路伝説の雪渓伝説の樹海伝説の星海伝説の遺構伝説の空域マシンヘラ降臨!マシンゼウス降臨!マシンアテナ降臨!からくり五右衛門参上!マシンノア降臨! 闘技場 極限降臨ラッシュ!(百花繚乱)(百花繚乱2) 極限の闘技場極限の闘技場2極限の闘技場3運命の三針異形の存在列界の化身 裏・極限の闘技場裏運命の三針裏異形の存在裏列界の化身 超絶極限コロシアム 紅の華龍蒼の華龍翠の華龍橙の華龍紫の華龍 炎の蟲龍水の蟲龍地の蟲龍光の蟲龍闇の蟲龍 赤の丼龍青の丼龍緑の丼龍金の丼龍黒の丼龍 火の猫龍水の猫龍木の猫龍光の猫龍闇の猫龍 火と光の機甲龍水と闇の機甲龍木と雷の機甲龍 火と影の犬龍水と光の犬龍木と闇の犬龍 火と湖の古代龍雷と海の古代龍木と炎の古代龍 火と闇の鉄星龍水と光の鉄星龍木と焔の鉄星龍煌と地の鉄星龍冥と海の鉄星龍 赤の契約龍青の契約龍緑の契約龍橙の契約龍黒の契約龍 緋空の転界龍藍海の転界龍碧地の転界龍 火の護神龍水の護神龍木の護神龍光の護神龍闇の護神龍 火の宝珠龍水の宝珠龍木の宝珠龍光の宝珠龍闇の宝珠龍 火の戦武龍水の戦武龍木の戦武龍光の戦武龍闇の戦武龍 火の伴神龍水の伴神龍木の伴神龍光の伴神龍闇の伴神龍 月曜ダンジョン火曜ダンジョン水曜ダンジョン木曜ダンジョン金曜ダンジョン土日ダンジョン メタドラ大量発生!ルビドラ大量発生!サファドラ大量発生!エメドラ大量発生!ゴルドラ大量発生! 精霊の宝玉天使と死神潜在たまドラ発見!? ラグオデAコラボ【降臨】パズドラZコラボ【降臨】女神降臨!大泥棒参上!ヘラ・イース降臨!サタン降臨!ゼウス・ディオス降臨!ドラりん降臨!ヘラ・ウルズ降臨!大天狗降臨!アテナ降臨!タケミナカタ降臨!ベルゼブブ降臨!イザナミ降臨!ヘラクレス降臨!ドラゴンゾンビ降臨!ヘラ・ベオーク降臨!ガイア降臨!サンダルフォン降臨!ヘラ・ソエル降臨!ワダツミ降臨!ゼウス・ヴァルカン降臨!ノア降臨!トト&ソティス降臨!張飛参上!メフィスト降臨!カネツグ降臨!ゼウス・マーキュリー降臨!関銀屏参上!コシュまる降臨!暗黒騎士降臨!趙雲参上!グリモワール降臨!メジェドラ降臨!ディアゴルドス降臨!ソニア=グラン降臨!ゼウス&ヘラ降臨!かぐや姫降臨!スフィンクス降臨!アーミル降臨!周瑜参上!レジェロンテ降臨!インディゴ降臨!西遊記降臨!ヨルズ降臨!デウス=エクス=マキナ降臨!エーギル降臨!スルト降臨!ヘル降臨!ヘイムダル降臨!ヤマツミ降臨!サンタクロース降臨!タケミカヅチ降臨!ヘパイストス降臨!グラン=リバース降臨!ヨルムンガンド降臨!酒呑童子降臨!ハヌマーン降臨!セラフィス降臨!アグニ降臨!パズドラクロス・エース降臨!スタージャスティス降臨!リバティーガイスト降臨!パズドラクロス・アナ降臨!ケプリ降臨!コスモクルセイダー降臨!ミオン降臨!クラミツハ降臨!セルケト降臨!ラス降臨!ティターニア降臨!アザゼル降臨!ガチャドラ降臨!夏のガチャドラ降臨!ガチャドラ降臨!(ネイガチャドラ)秋のガチャドラ降臨!デモニアス降臨!エノク降臨!エルメ降臨!ルシャナ降臨!ジル=レガート降臨!クロガネマル降臨!ヘキサゼオン降臨!マンティコア降臨!ビッグフット降臨!白鯨降臨!パネラ降臨!エイル降臨!ソール&マーニ降臨!ニーズヘッグ降臨!リントヴルム降臨!マイネ降臨!ケツァルコアトル降臨!ザッハーク降臨!リベルタス降臨!チィリン降臨!シェヘラザード降臨!レイワ降臨!エリス降臨!ドロシー降臨!ブラフマー降臨!センリ降臨!ジャバウォック降臨!ヴィーザル降臨!ドット・ゼウス&ヘラ降臨!デザインコンテスト記念ダンジョン!ラジエル降臨!ニムエ降臨!ベレト降臨!ドット・ヴァルキリー降臨!ゼレンバス降臨! 【特殊】降臨系 ゼローグ∞降臨!ノルディス降臨!スカーレット降臨!ヴォルスーン降臨!リンシア降臨!ガイノウト降臨!ミル降臨! 超絶極限コロシアム ゲリラ ○○ドラ大量発生進化用~大量発生たまドラ大量発生!レアキャラ大量発生!ぷれドラ大量発生!降臨カーニバル精霊の宝玉ラッシュ!転生の間その他のゲリラ希石の神殿降臨希石ラッシュ! 覚醒素材降臨 西洋神 覚醒素材降臨!1西洋神 覚醒素材降臨!2和神 覚醒素材降臨!1和神 覚醒素材降臨!2東洋神 覚醒素材降臨!エジプト神 覚醒素材降臨!四獣神 覚醒素材降臨!北欧神 覚醒素材降臨!三国神 覚醒素材降臨!英雄神 覚醒素材降臨!天使 覚醒素材降臨!悪魔 覚醒素材降臨!戦国神 覚醒素材降臨! レーダードラゴン ヘパイストス=ドラゴン降臨!ノア=ドラゴン降臨!ガイア=ドラゴン降臨!ゼウス=ドラゴン降臨!ヘラ=ドラゴン降臨! (+297)降臨(ゼウス、ヘラ+297はレーダーのカテゴリ) 女神(+297)降臨!ヘラ・イース(+297)降臨!ゼウス・ディオス(+297)降臨!タケミナカタ(+297)降臨!ベルゼブブ(+297)降臨!ヘラクレス(+297)降臨!ワダツミ(+297)降臨! 【降臨五十音順】 あ 秋のガチャドラ降臨!アグニ降臨!アザゼル降臨!アテナ降臨!アーミル降臨!暗黒騎士降臨!イザナミ降臨!インディゴ降臨!ヴィーザル降臨!エイル降臨!エーギル降臨!エノク降臨!エリス降臨!エルメ降臨!大泥棒参上! か ガイア降臨!かぐや姫降臨!ガチャドラ降臨!ガチャドラ降臨!(ネイガチャドラ)カネツグ降臨!関銀屏参上!クラミツハ降臨!グラン=リバース降臨!グリモワール降臨!クロガネマル降臨!ケツァルコアトル降臨!コシュまる降臨!コスモクルセイダー降臨!ケプリ降臨! さ 西遊記降臨!サタン降臨!ザッハーク降臨!サンタクロース降臨!サンダルフォン降臨!シェヘラザード降臨!ジャバウォック降臨!周瑜参上!酒呑童子降臨!ジル=レガート降臨!スタージャスティス降臨!スフィンクス降臨!スルト降臨!ゼウス・ヴァルカン降臨!ゼウス・ディオス降臨!ゼウス&ヘラ降臨!ゼウス・マーキュリー降臨!セラフィス降臨!セルケト降臨!ゼレンバス降臨!センリ降臨!ソニア=グラン降臨!ソール&マーニ降臨! た 大天狗降臨!タケミカヅチ降臨!タケミナカタ降臨!チィリン降臨!趙雲参上!張飛参上!ディアゴルドス降臨!ティターニア降臨!デウス=エクス=マキナ降臨!デザインコンテスト記念ダンジョン!デモニアス降臨!ドット・ヴァルキリー降臨!ドット・ゼウス&ヘラ降臨!トト&ソティス降臨!ドラゴンゾンビ降臨!ドラりん降臨!ドロシー降臨! な 夏のガチャドラ降臨!ニーズヘッグ降臨!ニムエ降臨!ノア降臨! は 白鯨降臨!パズドラクロス・アナ降臨!パズドラクロス・エース降臨!パズドラZコラボ【降臨】ハヌマーン降臨!パネラ降臨!ビッグフット降臨!ブラフマー降臨!ヘイムダル降臨!ヘキサゼオン降臨!ヘパイストス降臨!ヘラ・イース降臨!ヘラ・ウルズ降臨!ヘラクレス降臨!ヘラ・ソエル降臨!ヘラ・ベオーク降臨!ヘル降臨!ベルゼブブ降臨!ベレト降臨! ま マイネ降臨!マンティコア降臨!ミオン降臨!女神降臨!メジェドラ降臨!メフィスト降臨! や ヤマツミ降臨!ヨルズ降臨!ヨルムンガンド降臨! ら ラグオデAコラボ【降臨】ラジエル降臨!ラス降臨!リバティーガイスト降臨!リベルタス降臨!リントヴルム降臨!ルシャナ降臨!レイワ降臨!レジェロンテ降臨! わ ワダツミ降臨! ポリンの塔太鼓の達人ECOコラボぐんまコラボCDコラボケリ姫コラボガンホーコラボガンホーコラボ【制限時間2分】神羅万象チョココラボカピバラさんコラボエヴァコラボCoCコラボグルーヴコースターコラボラグオデAコラボ【降臨】ドラゴンズドグマコラボ高岡市コラボアイルーでバザールコラボバットマンコラボアングリーバードコラボパズドラZコラボ【降臨】HUNTER×HUNTERコラボハローキティコラボパズバトコラボROコラボドラゴンボールコラボ聖闘士星矢コラボビックリマンコラボドラゴンボールコラボ2DCコミックスコラボ北斗の拳コラボ神羅万象チョココラボ2ファイナルファンタジーコラボデュエル・マスターズコラボ進撃の巨人コラボサンデーオールスターズコラボクローズコラボBLEACHコラボファイナルファンタジーコラボ2バットマンvsスーパーマンコラボるろうに剣心コラボキン肉マンコラボマガジンオールスターズコラボモンスターハンターコラボモンスターハンターコラボ2ジャスティス・リーグコラボ鋼の錬金術師コラボKOFコラボKOFコラボ幽☆遊☆白書コラボペルソナコラボマジック:ザ・ギャザリングコラボパワプロコラボガンホーコラボ2ガンホーコラボ2【制限時間2分】銀魂コラボソードアート・オンラインコラボ仮面ライダー昭和Ver.仮面ライダー平成Ver.妖怪ウォッチ ワールドFate/stay night[HF]コラボストリートファイターV AEクエストマクドナルド×ガチャドラ降臨!シャーマンキングクエストサンリオキャラクターズコラボチャンピオンオールスターズクエストサムライスピリッツクエスト コインダンジョン(配信履歴・ダンジョン一覧など) ガンホーコラボECOコラボ太鼓の達人ぐんまコラボグルーヴコースターコラボ高岡市コラボ ドラプラ大発生!伝説龍ラッシュ!天空龍ラッシュ!機械龍ラッシュ!超絶ドラゴンラッシュ!超絶ドラゴンラッシュ2! 極限ゴッドラッシュ!極限ヘララッシュ!極限デビルラッシュ!極限ドラゴンラッシュ!極限大和ラッシュ!超極限ドラゴンラッシュ!特殊降臨ラッシュ! ゼローグ∞降臨!ノルディス降臨!スカーレット降臨!ヴォルスーン降臨!リンシア降臨!ガイノウト降臨! ペンドラの里 ヘラ・ウルズ降臨!(5×4マス)ノア降臨!(5×4マス)かぐや姫降臨!(5×4マス)トト&ソティス降臨!(5×4マス)イザナミ降臨!(5×4マス) キングカーニバル集結!進化ラッシュ!!集結!レア進化ラッシュ!!降臨カーニバルたまドラの里超絶メタドラ降臨! 火のアンケートカーニバル水のアンケートカーニバル木のアンケートカーニバル光のアンケートカーニバル闇のアンケートカーニバル イベントダンジョン一覧(贈り物系)公式生放送プレゼントダンジョン一覧 降臨チャレンジ!チャレンジダンジョン!ランキングダンジョンタイムアタック降臨ダンジョン制限付き降臨ダンジョン 一度きりチャレンジ!超絶極限コロシアム無限回廊真・無限回廊絶・無限回廊超絶・無限回廊超壊滅・無限回廊 伝説龍ラッシュ!天空龍ラッシュ!機械龍ラッシュ!超絶ドラゴンラッシュ!超絶ドラゴンラッシュ2! 極限ゴッドラッシュ!極限ヘララッシュ!極限デビルラッシュ!極限ドラゴンラッシュ!極限大和ラッシュ!超極限ドラゴンラッシュ!超極限マシンラッシュ!超極限北欧ラッシュ!超極限中華ラッシュ! 白蛇の地下迷宮一層二層三層四層五層六層七層八層九層最終層 異聖の天上宮殿一階二階三階四階五階六階七階八階九階十階 緋炎の雲海都市一階二階三階四階五階六階七階八階九階最上階 王妃の舞踊神殿一階二階三階四階五階最上階 神王の天空境界一階二階三階四階五階最上階 魔神王の無間獄一層二層三層四層五層六層七層八層九層最終層 工龍契士の創玉殿一節二節三節四節五節六節七節八節九節最終節 クリスマスダンジョン私立パズドラ学園パズドラアイランドハロウィンナイトお正月ダンジョンジューンブライドダンジョン 火のアンケートカーニバル水のアンケートカーニバル木のアンケートカーニバル光のアンケートカーニバル闇のアンケートカーニバル 進化素材アンケートダンジョン進化素材アンケートダンジョン2 超極限アンケートラッシュ! リクウ降臨! アンケート1アンケート2アンケート3アンケート4アンケート5アンケート6アンケート7アンケート8アンケート9アンケート10アンケート11アンケート12アンケート13アンケート14アンケート15アンケート16アンケート17 光届かぬ悪魔の巣闇払う翼龍ブレイカーズジュエルの塔 協力プレイダンジョンの概要 2人でガッツリ スコアアタックダンジョン 極限ヘララッシュ!極限ゼウスラッシュ!極限デビルラッシュ!超極限ドラゴンラッシュ!極限大和ラッシュ!特殊降臨ラッシュ! 3人でワイワイ 協力!無限回廊協力!進化ラッシュ!協力!極限の闘技場協力!降臨ラッシュ!協力!超壊滅ドラゴンラッシュ!協力!輝空の闘技路超壊滅・無限回廊 協力!アグニ降臨!協力!スタージャスティス降臨!協力!デモニアス降臨!協力!ケプリ降臨!協力!リバティーガイスト降臨!協力!ルシャナ降臨!協力!ビッグフット降臨!協力!セルケト降臨!協力!アザゼル降臨!協力!ヘキサゼオン降臨!協力!ゼローグ∞降臨!協力!ノルディス降臨!協力!クロガネマル降臨!協力!白鯨降臨!協力!パネラ降臨!協力!エイル降臨!協力!ミオン降臨!協力!ジル=レガート降臨!協力!エノク降臨!協力!クラミツハ降臨!協力!ラス降臨!協力!スカーレット降臨!協力!ソール&マーニ降臨!協力!ニーズヘッグ降臨!協力!コスモクルセイダー降臨!協力!ミル降臨!協力!リントヴルム降臨!協力!マイネ降臨!協力!ケツァルコアトル降臨!協力!ザッハーク降臨!協力!リベルタス降臨!協力!ヴォルスーン降臨!協力!エルメ降臨!協力!リンシア降臨!協力!ガイノウト降臨!協力!ティターニア降臨!協力!マンティコア降臨!協力!チィリン降臨!協力!シェヘラザード降臨!協力!レイワ降臨!協力!エリス降臨!協力!ドロシー降臨!協力!ブラフマー降臨!協力!センリ降臨! 協力!モンハンコラボ!協力!進撃の巨人コラボ!協力!ファイナルファンタジーコラボ!協力!キン肉マンコラボ!協力!サンデーオールスターズ!協力!幽☆遊☆白書!協力!ペルソナ!協力!マガジンオールスターズ!協力!マジック:ザ・ギャザリング!協力!銀魂!協力!ソードアート・オンライン!協力!仮面ライダー!協力!妖怪ウォッチワールド!協力!Fate/stay night[HF]!協力!ストリートファイターV AE!協力!シャーマンキング!協力!チャンピオンオールスターズ!協力!サムライスピリッツ! α版 協力オリジナルダンジョン(実施終了) 超絶極限ゴッドラッシュ!α超絶極限デビルラッシュ!αチャレンジダンジョン!α絶・無限回廊 特別版α 上記のカテゴライズはメニュー欄を元に作成した仮のものです。編集はこちらから プレゼント形式(クリア1回のみ) ノエルラッシュ!光の星導機パーツダンジョンアーマードロップ連動降臨 降臨ダンジョン(協力対応) ゼウス=ドラゴン降臨!ガイア=ドラゴン降臨!ヘパイストス=ドラゴン降臨!ノア=ドラゴン降臨!ヘラ=ドラゴン降臨! X連動降臨(★6以下強化) ドラクリスト降臨!ウェルドール降臨!ラグウェル降臨! 数字龍喚士降臨 ディアラ降臨!グラト降臨!ウォレス降臨!アムネル降臨!エナ降臨! プラス降臨(クリア1回のみ) ゼウス(+297) 降臨!ヘラ(+297)降臨! 大泥棒(+99)参上!ノア(+99)降臨!コシュまる(+99)降臨!アテナ(+99)降臨!サタン(+99)降臨! その他 シバマル大量発生!デビニャン大量発生!パイレーツ大量発生!フェアリー大量発生! パズドラクロス・エース(+10)降臨!パズドラクロス・アナ(+10)降臨! 伝説の炎龍伝説の氷龍伝説の島龍伝説の機龍伝説の邪龍 炎の天空龍水の天空龍樹の天空龍光の天空龍闇の天空龍 焔の機械龍氷の機械龍風の機械龍皇たる機械龍滅びの機械龍 炎の歴龍水の歴龍木の歴龍光の歴龍闇の歴龍 火の戦国龍水の戦国龍風の戦国龍光の戦国龍闇の戦国龍 焔の龍騎姫海の龍騎姫風の龍騎姫聖の龍騎姫影の龍騎姫 炎の神秘龍水の神秘龍地の神秘龍光の神秘龍闇の神秘龍 紅の海賊龍蒼の海賊龍碧の海賊龍金の海賊龍黒の海賊龍 ヘラ降臨!勇者降臨!ゼウス降臨!ツインリット降臨!トライフルーツ降臨! 三蔵法師降臨!沙悟浄&猪八戒降臨!サーティワンコラボ チャレンジ1チャレンジ2チャレンジ3チャレンジ4チャレンジ5チャレンジ6チャレンジ7チャレンジ8チャレンジ9チャレンジ10チャレンジ10チャレンジ11チャレンジ12チャレンジ13チャレンジ14チャレンジ15チャレンジ16チャレンジ17チャレンジ18チャレンジ19チャレンジ20チャレンジ21チャレンジ22チャレンジ23チャレンジ24チャレンジ25チャレンジ26チャレンジ27チャレンジ28チャレンジ29チャレンジ30チャレンジ31 一度きりチャレンジ!1一度きりチャレンジ!2一度きりチャレンジ!3一度きりチャレンジ!4 ↑カテゴリを選んでください ヘラ=ドラゴン降臨!概要 暗黒龍 壊滅級(テクニカル) 攻略指南 コメント ヘラ=ドラゴン降臨! 概要 パズドラレーダー連動限定ダンジョン登場!! (公式告知) パズドラレーダーから受け取れる、地域限定配信のダンジョン。 協力プレイダンジョンに対応している。 難易度は「壊滅級」の1種類のみ。 クリアしても魔法石はもらえない。(パズドラレーダーから受け取るダンジョンの仕様) 【初実装】 2016.04.17(日) 【配布予定】 2016.04.17(日) イオンモール高知 ガンホーフェスティバル2016 四国大会にてガンホーフェスティバルの開催時間(10時から17時の予定)のみの配信となる。 2016.05.29(日) 幕張メッセ ガンホーフェスティバル2016にて 【究極進化用素材としての使い道】 素材 進化後モンスター 暗黒神・ヘラ=ドラゴン 【進化用素材の編集】 暗黒龍 壊滅級(テクニカル) 【スタミナ:99 バトル:3】 獲得経験値:65,630 バトル モンスター名 HP 防御 攻撃 タ|ン 使用スキル 備考 スキル名 効果 B1 スカイゴッドナイト・ヴァーチェ 10,003,778 1,200 - 1 闇属性軽減 特性 闇属性ダメージを半減 Lv20 ヴァーチェを確定ドロップ優先順位は(1)セイントバリア(2)天空の鎧(3)その他 先制で以下のどちらかを使用 サンクション 闇属性モンスターが10ターン行動不能(闇属性モンスターがいる場合) ペナルティ スキル使用までのターンを3ターン遅延(闇属性モンスターがいない場合) コンビクション 92,400ダメージ+お邪魔ドロップを光ドロップに変化(お邪魔ドロップがあるとき) ジャスティススピア 46,200ダメージ+闇ドロップをお邪魔ドロップに変化(お邪魔がなく闇があるとき) フォースライトニング 37,800ダメージ+光ドロップを4個生成(闇もお邪魔もないとき) 天空の鎧 99ターンの間、100万以上のダメージを無効化(HP70%以下で一度だけ使用) セイントバリア 5ターンの間、闇属性攻撃を吸収(HP50%以下で一度だけ使用) B2 豊穣神・イービルセレス 9,394,350 0 - 1 根性 特性 HP30%以上のとき、大ダメージを受けてもHP1で耐える 宝箱(20,000)をドロップ※HP50%以下で木→闇に属性変更(※)火→フレイム、水→アイス、木→プラント、闇→ダーク ①ダークメランコリー②豊穣の加護 先制 ①999ターンの間、6コンボ以下の攻撃を吸収②999ターンの間、状態異常無効化 HP50%以上で交互に使用 ゼフィロスアンガー 25,704ダメージ+全ドロップを5属性+回復に変化 ライトファシネイション 1ターンの間、光属性攻撃を吸収 HP30%〜50%で必ず使用 ルーセントブレシング 5ターンの間、光ドロップが落ちやすくなる(初回のみ「ゼフィロスレイジ」と同時に使用) ゼフィロスレイジ 36,414ダメージ+全ドロップを5属性+回復に変化(初回のみ「ルーセントブレシング」と同時に使用、以降は単体で使用) HP1%〜30%で必ず使用 ①神樹の籠②プラントファシネイション ①99ターンの間、50万以上のダメージを無効化②1ターンの間、木属性攻撃を吸収(一度だけ使用) ①(※)ファシネイション②ナチュラルディザスター ①1ターンの間、光以外のいずれか1属性の攻撃を吸収②107,100ダメージ+最下段1列を回復ドロップに変化 HP1%以下で必ず使用 ①癒しの風②イービルアイ ①HP50%回復②現在HPの 5倍 のダメージ B3 暗黒神・ヘラ=ドラゴン 50,000,000 0 (10,985) 1 ①ブラックボディ②冥玉③暗黒龍の洗礼 先制 ①999ターンの間、状態異常無効化②999ターンの間、200万以上のダメージを吸収③4連続攻撃 計43,940ダメージ Boss Lv10 暗黒神・ヘラ=ドラゴンを確定ドロップ上から順番にスキルを使用し最後は下2つのスキルを交互に使用 ①サモンウェヌス②慈悲の息吹 ①何もしない②プレイヤーのHPを全回復 ブリリアント・ワールド 2連続攻撃 計109,850ダメージ ①サモンミナーヴァ②慈悲の息吹 ①何もしない②プレイヤーのHPを全回復 獄天の焦熱 5連続攻撃 計137,315ダメージ ①サモンケレース②慈悲の息吹 ①何もしない②プレイヤーのHPを全回復 ソウルバースト 3連続攻撃 計164,775ダメージ ①サモンネプトゥーヌス②慈悲の息吹 ①何もしない②プレイヤーのHPを全回復 アビスシュトローム 4連続攻撃 計193,336ダメージ ①サモンハデス②慈悲の息吹 ①何もしない②プレイヤーのHPを全回復 デスサイズ 6連続攻撃 計230,688ダメージ 魔力を溜めている 何もしない ①冥眼②ギガグラビトンブレス ①こちらの状態変化を解除(かかっていない場合は代わりに通常攻撃)②10連続攻撃 計329,550ダメージ ※HPは、グラビティ系を使用しての推測値です。 +モンスター別獲得Exp/コイン 出現モンスター別獲得Exp/コインまとめ モンスター名 Exp コイン スカイゴッドナイト・ヴァーチェ 8,710 11,520 豊穣神・イービルセレス 7,385 8,400 暗黒神・ヘラ=ドラゴン 49,535 158,400 攻略指南 ヨミドラの対になるLSを持つヘラドラゴンがドロップするダンジョン。 ヨミドラ究極素材として発表されているので欲しい人も多いだろう。 かつては、「ヘラドラはレーダー龍中でも屈指の高難易度ダンジョンで、闇無効PTを作るのが一番と言われる始末。何も考えずに突っ込んでも勝ち目がかなり低い。」と言われていたが、風神の実装で対策が可能になった(へラドラワンパン狙いなのでそれなりの火力は必要だし、スキルが非常に重い)。時期限定だがスキル上げ素材でも代用可能(もっと重い)。 以下は風神スキルがないor素材が別スキルの時の説明と読み替えて欲しい。 この降臨が高難度である原因はヘラドラの200万ダメージ以上吸収に加え、前座セレスの6コンボ吸収&HP30%根性がある。 セレスは30%手前まで7コンボで削って、割合ダメージで根性を剥がし、また7コンボする必要があるというとても面倒な敵。 通常ダメージがまず痛く、削り中に落ちコンが来ると勝手にHPが30%を切りかねない。下手に根性が剥がれると50万以上無効、6コンボ吸収と合わさって コンテしても倒せなくなる など、どうしようもない要素が満載。 ヘラドラはPT全体で1度に1200万(+副属性分)ダメージしか与えられないのに、その最大ダメージを出しても撃破までには5Tかかり、その間に先制1回、超ダメージは2回飛んでくる。 2回までならまだ75%軽減1スキルで耐えられないこともないが、3回目は75%軽減でもかなり無茶。 勿論セレスの時と同様に落ちコンの恐怖も続く。 セレスHP50%以下~ヘラドラが闇属性なので、裏エリュシオン4体を固めておけば死ぬことが無くなる。 特にマルチはヘラドラが1Tおきの攻撃であることから、片側のPTにのみ闇無効を揃えるだけでも良くなる。 セレスの7コンボだけは闇無効PTでも必要なのでそこだけは頑張るほかない。 +マルチ・マシンゼウス闇無効PT 裏エリュシオンや正月かぐやなどでヘラドラを完封するPT。セレスはLF+30%割合ダメージで根性剥がし可能なので受けることはない。 セレスに掛かる時間が一番短く、ヘラドラで死ぬことがないので速度・安定度共にトップクラス。 信じられないかもしれないが、 下手にこのダンジョンで石を砕くより裏エリュシオンやマシンゼウスに石を砕いたほうがずっといい 。 ゲスト側が7コンボする必要があるので、そこで事故要素を含む(7コンボ確定PTも作製可能)。 PT例(最低スキブ18必要、PT例スキブ20) ホスト側:Lマシンゼウス Sウェルドール*2 マーキュリー(要潜在攻撃4) マシンヘラ (水3体ALL攻撃+99必須) (ウェルドール1体に水泥強スキル継承、余裕があればもう1体に闇含む陣継承(光闇込がベター、覚醒メイメイならスキブ18まで減らしてOK) ゲスト側:Lマシンゼウス S裏エリュシオン*4(スキブ20あるホストと回るなら、1体スキルマにしてメイメイ等を載せておくとホストの負担軽減に繋がる) 一例。組み方は幾らでもあるので他のPT例については検索するといい。ここではゲスト側に比較的影響されないパターンの1つを記載。 但しマシンゼウスはどのパターンでもスキルマ(片方だけなら+1ターンまでギリOK)必須。30%割合ダメージも間に合うようにスキラゲが必要。 どのパターンでもホストが注意すべきは「バインド耐性のない闇を入れないこと」。例えば究極天狗は副属性闇なのでNG(この場合入れるなら正月天狗)。 また、LFやマシンヘラなどのヘイストを利用するPTも多いので、代用モンスターを使う場合は十分注意。 B1:ホスト…マーキュリー→泥強 B2:ゲスト…パス(もしくは闇含む陣使用) ホスト…マシンヘラ→マシンゼウス*2→闇含む陣使用→パス ゲスト…7コンボ B3:毎ターンゲストが超ダメージを受けるので残りは消化試合 PT例(7コンボ確定型、スキブ20) ホスト側:Lマシンゼウス Sウェルドール*2・マーキュリー・スキブ2以上持ちの自由枠(バインド耐性100%の水闇モンスターかマシンヘラ) (ウェルドール1体に水泥強スキル継承、LFとサブが全員遅延耐性3あるなら自由枠は闇なしでもOK) ゲスト側:Lマシンゼウス S正月かぐや(潜在闇軽減5)*2~4・裏エリュシオン*0~2 (かぐや1にラファエル、かぐや2に30%グラビティ、かぐや3orエリュシオンにヴァンorサウザーor神谷薫継承) (かぐやはハロウィンソティスでも代用可能) ラファエル+生成スキルで確定7コンボを利用したPT。7コンボ事故が無くなるので100%安定し、パスもない。 ラファエルは日番谷でもOK。光ドロップは6個で撃破できる。 ゲストがグラビティを継承できない場合、ホストがマシンヘラを自由枠に入れることでパスは増えるが代用可能(マーキュリーに潜在攻撃4等が必要になるので注意)。 正月かぐや(か代用ハロソティス)は継承スキルターンの関係で2体は必要(ホストに30%割合役を任せる場合は1体)。 かぐや4体編成ならBに回ってくるたびに光を生成できるので削り速度が上がる。 B1:ホスト…マーキュリー→泥強 B2:ゲスト…マシンゼウス*2→30%割合→ラファエル→ヴァン等から確定7コンボ ゲストが割合を持っていない場合、ゲストはパスで「ホスト側に回し30%割合発動後パス」を挟む B3:毎ターンゲストが超ダメージを受けるので残りは消化試合、正月かぐやで光を生み出しながら殴ることが可能 +ソロ根性 闇無効PT・自前ガチャ限なし まさかの完封勝ち。 ■編成例:Lタケミカヅチ F覚醒アマテラス S裏エリュシオン×4 1Fと2Fは全て単発攻撃であり、3Fは敵が常に闇属性なので、これで完封。 問題は途方もなく時間がかかること。ヘラドラゴンが999ターン大ダメージ吸収を張るせいで、割合ダメを継承してきても効果がない。Lを覚醒オロチにして、ひたすらパズルを繰り返してアマテラスに全火力を任せるのが現実的だろうか。 +転生ハーデスPT 闇バインド解除(間に合うのは実質的にアマテラスかオデドラ程度)→ヴァーチェワンパン→セレスHP50%以下、までを一気にやる必要あり。 逆にここまで出来てしまえばヘラドラで何度も落ちコン事故を起こさない限りは勝てる。 PT例(ソロ) バッジ:スキルブースト LF転生ハーデス S「アマテラスorオデドラ」 覚醒パンドラ・ディアデムetc(神・ドラゴンキラーを持たない軽めの変換モンスター3枠でスキブ6確保) 全員スキルマ必須、サブの闇3枠のうち1体はヘイスト持ちが必要 初手バインド回復のためには全体でスキブ9(+バッジ1、オデドラなら8+1)が必要。B2のセレスでハーデスのグラビティを撃つ為にヘイストで1短縮が必要。 ディアデムや覚醒パンドラが無いとB2セレスをハーデス無しで属性変更の50%ラインまで削る必要がある。 神・ドラゴンキラーを入れてしまうと火力バランスが崩れるのでヘラドラ戦が危険。 キラーを編成していないなら闇列+3個消しで5コンボ、闇way*3組消しで7コンボ、闇の3個消し*4組なら8コンボまで許容可能。全体火力はwayより列のほうが伸びる場合が多い(スキブ2・軽変換・way持ち・キラーなしの全てを満たすモンスターが酷く少ない)。 2wayを持たなければ最悪キラーも入れられるが、不意の落ちコンですぐ吸収ラインに達してしまう(闇3個*3組消去ですら即吸収レベル、闇way2組でも3コンボで吸収されるので実質的に3個+4個消しよりダメージの大きい消し方は不可)。 スキブ7あればセレスを素で入れられるようになるが、スキブ3持ちかつ軽変換は居ない。 またセレスの無効発動中、およびヘラドラはハーデスのグラビティが上手く入らないことに注意。ヘラドラは残りHP16%を切った辺りからグラを打ち込むことが可能。 B1:完治→変換(2スキル使用も視野)でワンパン B2:(ヘイスト→)ハーデス*2→残り6.25%を5秒延長のみで削る。あとはスキル貯め直し→HP50%付近以下でグラグラ根性剥がし→7コンボ撃破。 溜め直し中に30%以下にしてしまうと無効と吸収で削りにくさが大変なことに。死ぬことはないだけまだ良いが時間がとにかくかかってしまう。 30%に入ってしまったら、ハーデスの操作時間延長を活かして立ち回るしか無い。 B3:15T以内を目安に撃破したい。ギガグラビトンブレスまで行っても1回は完治できるし、回復を頑張れば複数回耐えられないこともないので諦めないこと。 PT例(マルチ) ホスト側:転生ハーデス Sアマテラスorオデドラ/闇メタorハロウィンムーラン(完治継承)・ジゼ(ソニア継承)・覚醒ハク・闇明智 (スキブ8) ゲスト側:転生ハーデス S赤ソニア・闇明智・ゼローグ(ヴァン継承)・ベルゼブブ(軽変換やエンハ継承) (スキブ9) PT例はそれなりに適当。ハロムーラン+完治の17Tに合わせてスキブを載せてあるが、 とにかく「初手で完治が発動できること」「ABで1回ずつ7コンボ出来るスキル(Aは実質2枠で7コンボ)」さえあればどうにかなる。 両PTとも軽変換寄せにしておけば不意に通信が切れても対処可能。 B1:ホスト…完治→ソニア陣 B2:ゲスト…「7コンボでHPを1 or 30~50%」にできればOK ホスト…ハーデス*2→7コンボ B3:15~17T以内を目安に撃破。ソロと違ってマルチのHP量で多少は受けられる。ハーデス以外のスキルが全然たまらないことにだけ注意して立ち回り。 +闇セシル・マルチ用闇無効PT ■イービルセレスをスキルのみで倒すため(7コンボ不要)ストレスなく周回可能。 裏エリュシオンやマシンゼウスに石を砕く必要はないが、全体的にガチャ限モンスターの要求割合が高い。 ホスト側(Aチーム) L 闇セシル(覚醒ハク継承) S 究極闇メタ(セレスアナ継承)、究極闇メタ(覚醒ロキ継承)、究極ゼウス ヘラ、グラウカ ゲスト側(Bチーム) L 闇セシル(明智継承) S ハロウィントト ソティス(サクヤ継承)×2、大天狗(ハーデス継承)、神羅聖魔神アーク スキブ19以上必須(完治の光X、白虎七星陣、ルーンエンハンスにヘイスト効果があるので23Tまで貯まる)基本的に全キャラのスキルマが必要(アシスト側のモンスターを含む) LFのセシルに闇軽減の潜在覚醒を5個ずつ(計10個)振っておく(闇軽減は覚醒18個(90%)+潜在10個(10%)で100%) 覚醒ロキは覚醒フレイヤや覚醒イズイズのスキルでも可(ヘイスト付き闇属性対象エンハンス) 神羅聖魔神アークは闇軽減4つ以上持ち(正月かぐや姫や北斗コラボのマミヤ、裏エリュシオン)なら何でも良い B1:完治の光Xでバインド解除後、ハク→明智→ロキと使って、盤面の闇を回復で3分割(回復が6個以下なら2分割)してワンパン B2:ギガグラと四神乱舞2発を撃って敵のHPは約45%。闇属性になっているので0コンボでAチームに手番を回す ゴッドグラビティで残りHP24.64%、グラウカで突破。先制43,940ダメージはLFの40%軽減で耐えられる B3:Bチームが闇軽減100%なので勝利確定。 +風神orスキル上げ素材入り劉備ディオスPT PT例①(スキブ25、最低23必須) ホスト側:L覚醒劉備 Sディオス*2 闇メタ(風神継承) 正月天狗(泥強継承) ゲスト側:L覚醒劉備 Sゼウスヘラ*3(うち1体をマシンゼウスや天狗(降三世継承)でもOK) 降三世 A側+ゲスト劉備はHP攻撃ALL+99、Bサブもレベルマ必須(へラドラ先制受けのため) 片方の劉備に(全員にかかる)2倍以上エンハンス継承 代用できるのはAの風神枠→蒼神面か、Bの降三世→トーエンのどちらかのみ。トーエン代用は上PTならそのまま変更可能。 仮面代用の場合はスキブ26(バインド弾き→遅延になる)用意か、正月天狗→究極天狗にして泥強を劉備に乗せるなどの手段が必要になる。 前者なら降三世はウェルドールに載せなければならない。 立ち回り B1→ホスト:花火(泥強1以上) B2→ゲスト:ゼヘラ*3から降三世 B3→ゲスト0or1コンボ(エンハンス起動用)→ホスト:ディオス→風神→劉備継承エンハンス→天狗継承泥強 PT例②(スキブ23以上) ホスト側:L覚醒劉備(グラビティスキル継承) Sディオス*2 蒼神面 究極天狗 ゲスト側:L覚醒劉備(カラット継承) S ゼウスヘラ*2 ディオス 究極天狗(2列生成など7コンボ用継承) A側(仮面と天狗以外の全員)+ゲスト劉備はHP攻撃ALL+99、Bサブも最低限レベルマ必須(へラドラ先制受けのため) こちらは確定7コンボでB2を突破するパターン。A天狗はバインド誘発するために闇であることが必須。 グラビティは3体で70%削れるならどんな組み合わせでもOK(例:ゼヘラ・マウス・継承20%グラ)だが、スキブや発動ターンにだけは注意。 風神が居なければ泥強を載せる隙間がまず無いので、エンハはカラットに限定される。 立ち回り B1→ホスト:花火(泥強1以上) B2→ゲスト:ゼヘラ*2&劉備継承グラビティ→ディオス+天狗継承7コンボ用スキル B3→ホスト:カラット花火(泥強1以上) コメント ※ここはフレンド募集をする場ではありません、フレンドコード交換へどうぞ。 ※ゲリライベント開催日時についてのやり取りは「不正プレイ禁止」の観点からご遠慮ください。(ただし、公式発表されたものを除きます。) ※ここはPT診断をする場ではありません、チーム編成・報告診断へどうぞ。 サリアと風神いればイルムパでマルチ周回できそう -- 2017-08-30 17 32 26 マルチヨグだと驚くほど簡単だなここ -- 2017-09-26 22 02 08 ↑風神抜きでやってみ?w 強いのはヨグでも何でもなく風神 -- 2018-03-20 01 32 16 ゲリラで来てたのであえてアメンで挑戦。1発ソロノーコン。LFアメン(慶次)、アメン、S鯨(タナトル)、鯨(ジーニャ)、ルシャナ(ウィジャス)、ウルカ。無効でターン稼いでギリウルカ溜まります。風神あればもっと楽です。 -- 2018-04-11 00 18 01 ガチャ限なしマルチ、ディノX装備追加しました。他のレーダー龍1シリーズも全部ガチャ限なしで追加します。参考にしてやってください。m(_ _)m -- 2018-04-28 03 44 09 うーん無理。見送ろう。 -- 2018-11-12 18 01 50 今どきじゃマルチならフレにアヌビスと吸収無効入れてもらってオデュッセウスに回復込三色陣と追い打ちキャラとスキブ要員2枚とそれに指伸ばしにエノクでもつけておけば周回はめんどくさいがクリアぐらいはできるだろう -- 2018-11-12 19 52 53 長いこと放置してたけどLヨグFヨグS光ソニア、オルファ(超覚醒スキブ、ポカリ)、オルファ(超覚醒スキブ、ジーニャ)、リクウ神威でノーコン。セレス戦で光ソニア陣使って追い討ち組みつつ7コンボ組めるかどうかがポイントだからオルファのアシストをポカリじゃなくてコンボ加算スキルにしたほうがいいかも。 -- 2018-11-12 21 23 14 諸事情でディノXPT削除しました。今まで無課金攻略とか載せてましたがここではもう編集せず後続の人におまかせします。本当ご迷惑おかけしました。m(_ _)m -- 2019-01-30 16 09 38 雑魚なので鬼滅で初勝利しました -- 2020-11-21 20 49 03 コメント すべてのコメントを見る
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中日ドラゴンズ2008年 開幕版 レアカード:☆5 立浪 和義(三) 野手 投手 先発 中継ぎ セットアッパー 抑え 野手 守 名前 背番号 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 打順適正 巧打 長打 走力 バント 守備 精神 守備適正 スキル 捕 一 ニ 三 遊 外 捕 谷繁 元信 27 右/右 38 A 広島 7 CBA型 59 59 54 70 82 67 A - - - - - 小田 幸平 26 右/右 31 A 兵庫 4 CBA型 50 47 47 70 73 51 B - - - - - 清水 将海 39 右/右 33 B 群馬 3 CBA型 50 43 46 63 64 56 C - - - - - 田中 大輔 22 右/右 24 O 広島 2 BCA型 45 46 49 54 60 44 D - - - - - 小山 良男 37 右/右 28 B 神奈川 1 CBA型 49 43 53 62 65 45 C - - - - - 一 ウッズ 44 右/右 39 - アメリカ 9 CAB型 69 85 42 41 50 76 - E - - - - 新井 良太 25 右/右 25 AB 広島 3 CBA型 59 58 54 54 57 63 - D - D - - 二 荒木 雅博 2 右/右 31 A 熊本 7 ACB型 69 46 81 69 80 74 - - A - - D 三 森野 将彦 31 右/左 30 AB 神奈川 7 CAB型 78 72 61 68 62 70 - C D C E C 中村 紀洋 99 右/右 35 O 大阪 7 CAB型 77 74 47 42 63 78 - E - B - - 立浪 和義 3 右/左 39 A 大阪 5 BBB型 66 57 61 60 58 79 - - E D - D 柳田 殖生 53 右/右 26 A 兵庫 2 BCA型 48 55 56 59 56 50 - D E C D - 堂上 直倫 1 右/右 20 O 愛知 2 CBA型 48 56 49 50 53 47 - - - D - - 遊 井端 弘和 6 右/右 33 B 神奈川 8 ABC型 78 53 71 82 83 78 - - - C A - 森岡 良介 45 右/左 24 A 大阪 2 ACB型 53 57 62 65 61 56 - - C C C - 中川 裕貴 32 右/右 23 A 滋賀 1 BCA型 45 42 56 50 52 48 - D D C D - 外 和田 一浩 5 右/右 36 O 岐阜 8 CAB型 83 72 55 44 51 73 - - - - - D 井上 一樹 9 左/左 37 A 鹿児島 6 CBA型 71 61 54 57 64 75 - D - - - C 英智 57 右/右 32 O 岐阜 6 ACB型 65 58 72 76 83 60 - - - - - A 李 炳圭 7 左/左 34 - 韓国 5 CBA型 60 60 56 58 63 61 - - - - - C 堂上 剛裕 63 右/左 23 O 愛知 4 BCA型 62 60 48 48 54 69 - E - E - D 藤井 淳志 22 右/右 27 O 愛知 4 ACB型 50 55 68 69 76 55 - - - - - A 上田 佳範 35 右/左 35 O 長野 3 BCA型 54 49 61 70 71 52 - - - - - C 澤井 道久 48 右/両 29 O 京都 3 ACB型 49 44 61 50 59 50 - - D D C D 平田 良介 8 右/右 20 B 大阪 3 BBB型 57 59 57 52 56 49 - - - - - C 中村 公治 56 右/右 27 AB 兵庫 3 CBA型 52 59 55 51 56 57 - - - - - D 普久原 淳一 62 右/両 25 O 神奈川 1 BCA型 40 46 57 58 57 43 - - - - - D 打順適正 例)ABC型 → 1~2番◎、3~5番○、6~9番× (リードオフマンパワー型) 例)ACB型 → 1~2番◎、3~5番×、6~9番○ (リードオフマン型) 例)BCA型 → 1~2番○、3~5番×、6~9番◎ (下位打線型) 例)BAC型 → 1~2番○、3~5番◎、6~9番× (クリーンナップ上位型) 例)CAB型 → 1~2番×、3~5番◎、6~9番○ (クリーンナップ下位型) 例)CBA型 → 1~2番×、3~5番○、6~9番◎ (下位打線パワー型) 例)BBB型 → 1~2番○、3~5番○、6~9番○ (バランス型) 投手 先発 名 前 背番号 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 体力 球速 球威 変化 制球 精神 変化球 速度 ス シュ Hシュ カー フォ スラ Hスラ シン Sカー カット チェ スク サー ツー パー ナッ Vスラ SFF 川上 憲伸 11 右/右 33 O 徳島 9 78 66 80 82 81 77 B - B C C - - - A - - - - - - - - 148 朝倉 健太 14 右/右 27 O 岐阜 8 81 68 83 80 77 69 A - - - B - - - - - - - - - - - B 149 中田 賢一 20 右/右 26 O 福岡 7 79 74 81 79 64 73 - - C B B - - - - - - - - - - - - 152 山本 昌 34 左/左 43 AB 神奈川 6 68 50 65 75 72 67 D - - - B - - C - - B - - - - - - 140 山井 大介 29 右/右 30 A 大阪 6 75 68 69 74 73 69 C - D D - - - - D - - - - - - B - 149 小笠原 孝 43 左/左 32 A 千葉 6 70 58 66 74 70 66 E - D - - B - - - - C - - - - - - 144 佐藤 充 16 右/右 30 AB 埼玉 5 70 52 67 65 69 67 D - - C C - - D - - - - - - - - - 141 浅尾 拓也 41 右/右 24 A 愛知 4 68 72 69 64 59 59 - - - E C - - - - - - - F C - - - 151 吉見 一起 19 右/右 24 A 京都 3 60 58 58 53 51 59 E - - E D - - - - E - - - - - - - 144 赤坂 和幸 54 右/右 19 B 神奈川 1 53 66 52 42 47 46 - - F - E - - - - - - - - - - - - 148 山内 壮馬 26 右/右 23 AB 愛知 1 56 62 53 46 49 52 - - E - E - - - - F - - - - - - - 146 中継ぎ 名 前 背番号 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 体力 球速 球威 変化 制球 精神 変化球 速度 ス シュ Hシュ カー フォ スラ Hスラ シン Sカー カット チェ スク サー ツー パー ナッ Vスラ SFF 鈴木 義広 23 右/右 25 A 香川 5 48 68 70 75 68 65 C - - - B - D - - - - - - - - - - 149 久本 祐一 61 左/左 29 O 大阪 4 54 68 66 65 64 64 - - E D C - - - D E - - - - - - - 149 チェン 21 左/左 23 O 台湾 4 58 56 70 67 62 63 - - C - D - - - - D - - - - - - - 143 高橋 聡文 67 左/左 25 A 福井 3 45 72 69 60 55 60 - - E D C - - - - - - - - - - - - 151 長峰 昌司 68 左/左 24 A 茨城 3 61 52 63 58 49 52 E - E D D - - - - - - - - - - - - 141 石井 裕也 30 左/左 27 B 神奈川 3 58 64 68 66 57 59 - - E - C - - - - - D - - - - - - 147 クルス 94 右/右 31 - ドミニカ 3 42 78 67 55 57 66 - - E D D - - - - - - - - - - - - 154 中里 篤史 18 右/左 26 O 埼玉 2 43 66 67 45 59 55 - - E E E - - - - - - - - - - - - 148 小林 正人 69 左/左 28 A 群馬 2 40 44 56 61 58 53 C - E - D - - - - - - - - - - - - 137 佐藤 亮太 50 左/左 25 A 長野 2 54 44 45 49 60 51 - - E - E - - - - - E - - - - - - 137 菊地 正法 47 左/左 24 O 静岡 2 43 52 55 59 58 58 E - D - D - - - E E D - - - - - - 141 齋藤 信介 38 右/右 26 B 愛媛 1 44 52 60 47 47 55 - - - F E - - - - - - - - - - - - 141 金剛 弘樹 0 右/右 29 O 埼玉 1 45 60 52 48 43 47 - - E E E - - - - - - - - - - - - 145 セットアッパー 名 前 背番号 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 体力 球速 球威 変化 制球 精神 変化球 速度 ス シュ Hシュ カー フォ スラ Hスラ シン Sカー カット チェ スク サー ツー パー ナッ Vスラ SFF 平井 正史 33 右/右 33 O 愛媛 6 51 74 80 74 67 73 D - - B E - - - C - - - - - - - - 152 抑え 名 前 背番号 投/打 年齢 血液型 出身地 ★ 体力 球速 球威 変化 制球 精神 変化球 速度 ス シュ Hシュ カー フォ スラ Hスラ シン Sカー カット チェ スク サー ツー パー ナッ Vスラ SFF 岩瀬 仁紀 13 左/左 34 AB 愛知 9 47 60 73 84 89 88 B - - - A - - - - - - - - - - - - 145 球種 シュート→シュ 高速シュート→Hシュ カーブ→カー スローカーブ→Sカー シンカー→シン スクリュー→スク スライダー→スラ 高速スライダー→Hスラ カットボール→カット ツーシーム→ツー フォーク→フォ チェンジアップ→チェ 縦スライダー→Vスラ サークルC→サー パーム→パ ナックル→ナッ 年齢表記について 年齢は全選手、本年(2008年で)の誕生日を迎えたと仮定した選手の年齢であり、年月日での判断はしないものとする。そのため、本来の年齢より1才繰り上げされる場合がある。 やきゅつくオンラインでの年齢データもそのように記載されている。 例)記載年月日 2008/08/17 →三木 肇 1977/04/25 →誕生日での判断 31才 →年度での判断 31才 例)記載年月日 2008/08/17 →金子 誠 1975/11/08 →誕生日での判断 32才 →年度での判断 33才 2007年版
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監督教官のコルベールはほぼ満足していた。 新2年生のほぼ全員が使い魔の召喚と契約を無事済ませていたからだ。 (なまじ高等な幻獣を召喚されたら契約するだけで一苦労ですからねぇ) 生徒達が自分の力量と特性を見極め、それに見合う使い魔を召喚し、メイジとしての自分自身のあり方を見定める。 これが2年生最初の授業にして伝統の儀式「春の使い魔召喚」の目的だった。 とはいえ、 (まあ、やっぱりというか、予想に反してというか…) 今年度最大の問題児のみ、まだ使い魔との契約を済ませていない、という点だけは不満足だった。 その問題児、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが問題児たる所以は、通常のように 素行不良や成績不振、または対人関係といった人間的な部分には無い。 魔力はあれど術を一切使えないという、メイジとしての存在意義そのものを危うくするほどの欠点を、 彼女が持ち合わせていた事、ただそれだけ。 コルベールの予想通りだったのは、ルイズの召喚魔法が常識外れの結果に終わった事。 コルベールの予想と異なっていたのは、ルイズが一発で使い魔の召喚に成功した事。 そしてコルベールの予想を遥かに超えていたのは、召喚した使い魔が人間だった事。 「ミスタ・コルベール!もう一回だけ召喚させて下さいっ!」 嘆願、と言うよりもわめき散らすルイズを前にして、 (さてどうしたものか) 極力表情を表に出さないように、コルベールは悩む。 召喚した使い魔が気に入らないという理由でのやり直しなぞ、到底認められるものではない。 それは使い魔召喚という儀式とその目的を、ひいてはトリステイン魔法学園の伝統を、乱す事に他ならないからだ。 一方、自分が知る限り、人間を使い魔として召喚、使役したメイジなぞ聞いた試しもない。 コルベールはより無難な回答を出すことに決めた。 「それは駄目だ。召喚に成功したのなら、それが君の使い魔となるべき者なんだ。例えそれが…」 改めてルイズが召喚した人間を観察する。 がっしりとした筋肉質の若い男。立ち上がると身長は2メルテもありそうだ。 どこか気品のある、それでいて垢抜けない仕草は辺境出の貴族のようにも見える。 杖は持っていない。衣装も見慣れぬ物だ。身分を示すような装飾品も見当たらない。 「…平民だったとしても例外ではない。これがこの儀式のルールであり伝統だと説明したはずだがね」 目に見えて落胆するルイズ。他の生徒達は口々にはやし立てる。 「さあ、契約を済ませ、儀式を完遂するんだ、ミス・ヴァリエール」 召喚した平民のもとへ渋々と戻り、その場に座らせてから、杖を振り、口訣を結ぶ。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」 唇を合わせようとルイズが顔を近づけると、平民の男が突然立ち上がる。 「な、何をするだァーッ!ゆるさんッ!」 「ちょっと!じっとしてなさいよ!」 「何てふしだらなんだ君はッ!こんな人目のある所で、見ず知らずの男である僕にッ!」 「あんたは私の使い魔なんだから言うこと聞きなさいよ!」 「僕は紳士だ!愛してもいない女性から誘惑されるなど願い下げだッ!」 「いいから座りなさい!あたしが届かないじゃないの!」 「君の言うことを聞くつもりはないッ!」 まるで会話が噛み合っていない。 (ああ…もうどうしたもんだか) コルベールは頭を抱える。授業時間はとっくに終わっているのに、これ以上面倒を増やして貰いたくはなかった。 「結構いい男じゃないの、ねぇタバサ?」 赤髪の女生徒キュルケの問いかけに、 「…」 青髪の女生徒タバサは特に答えを返さない。 早々に自分の使い魔と契約を結んだ二人はルイズと使い魔のちぐはぐな口喧嘩の推移を見守っていたが、 「それにしてもいつまでやってんだか」 まるで話が進まないのでいい加減飽きてきた。 「さっさと押し倒してキスしちゃえばいいのにねぇ」 「相手が大きすぎる」 「あなたなら『風の槌』でブッ倒しちゃうんじゃない?」 「手助け禁止」 「あ」 男の眼前で小さな爆発が生じる。 怯んだ男が膝を屈した所でルイズはその頭を両手で掴み寄せ、強引にキス。 「うわお、情熱的ぃ」 にやにやと嫌な笑みを浮かべるキュルケ。 ジョナサンは目の前で拳銃を発射されたような衝撃と爆音にもうろうとしていた。 (な、何を…?) 視覚と聴覚が白く塗り潰された中で、頭を掴まれ、唇に何かが触れる。 「はっ、離すんだッ…」 掴まれた頭をふりほどき、どうにか立ち上がろうともがくが、 「うおおおおおお!」 左手に生じた焼け付くような痛みにうめき声を上げ、またその場に膝まづく。 「終わりました、ミスタ・コルベール」 ルイズは複雑な心境で一礼した。 失敗魔法の爆発で使い魔の平民-ジョナサンに目くらましを浴びせ、その隙に契約を成功させたのは 我ながら胸がスカッとする機転だった。 が、そもそもその魔法が失敗だったこと、そして何よりも自分の使い魔がどこの馬の骨とも知らない平民であることは はなはだ不服でならなかった。 更に悪いことに、コルベールはジョナサンの左手に刻まれた使い魔のルーンを一目見るなり、 「ふむ…珍しいルーンだな」 とだけ呟き、後はまったく関心を払わなかった。 (せめて魔法の系統ぐらい教えてくれても良かったのに) 「ほら『ゼロ』!早く来ないと次の授業が始まっちまうぜ?」 「頑張って走りなさいな!グラウンドは広くてよ!」 「飛行」の魔法で易々と校舎に戻るコルベールと級友達を苦い思いで見送ってから、その光景にぽかんと口をあけて 見とれているジョナサンに 「ほらっ!あたし達も校舎に戻るわよ!」 と声を掛ける。
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ゼロの番鳥-1 ゼロの番鳥-2 ゼロの番鳥-3 ゼロの番鳥-4 ゼロの番鳥-5 ゼロの番鳥-6 ゼロの番鳥-7 ゼロの番鳥-8 ゼロの番鳥-9 ゼロの番鳥-10 ゼロの番鳥-11 ゼロの番鳥-12 ゼロの番鳥-13 ゼロの番鳥-14 ゼロの番鳥-15 ゼロの番鳥外伝 「ルイズ最強伝説」
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第百十六話「弄ぶ眼」 奇獣ガンQ 登場 ガリア王国からタバサを救出し、遂に魔法学院へと帰還を果たしたルイズたち。しかしそれから ほどなくして、すぐに次の冒険がアンリエッタによってもたらされた。 ルイズたちはティファニアをウエストウッド村の子供たちごとトリステインまで保護するよう 命じられたのだった。やはり、ガリアが暗躍を見せる中で誰にも守られずにいるというのが心配 とのことだった。 道中目立ってはいけないので、アルビオンに向かったのはルイズ、才人、ギーシュ、タバサと キュルケの五人という少人数だった。本来は前者の三人だけのはずだったが、学院を出発した ところでタバサたちが同行してきたのだ。しかもそれを決めたのは、意外にもキュルケではなく タバサの方だという。シルフィードに乗せてもらえたので、結果的には大助かりではあるのだが……。 タバサの見せた積極性を、才人はいささか怪訝に思った。彼女は直前にも、侵略者ではなく 国家そのものを敵に回すということでとりあえず読み書きが出来た方がいいだろうと思い立ち、 勉強を始めた才人とばったり鉢合わせになると、何を思ったかその手伝いをしてくれたのであった。 お陰でとてもはかどったのだが……確かに今までにも何度も危ないところを助けてくれたとはいえ、 平時までこんなにも積極的に協力してくれるのは初めてのことだった。ガリアから救い出したことに 恩義を感じているのかとも思ったが、それならルイズたちにも同様でないといけない。今のところ、 それらしい様子は見られなかった。 タバサのそんな変化の原因について、彼女の親友キュルケに尋ねたところ「きっと、あなたは 特別なのよ」と何やら意味深な答えをいただいた。それはどういう意味なのか、才人にはよく分からなかった。 ウエストウッド村の入り口に到着してから、チラ、とタバサの顔を一瞥する。 「パムー」 タバサの頭の上のハネジローがひと鳴きした。ハネジローはタバサにベッタリなほど懐いており、 ウエストウッド村にまでついてきてしまったのだった。それはともかく、肝心のタバサの方は相変わらずの 無表情で黙りこくっており、何を考えているのかは窺い知れなかった。 黙りこくっているといえば、もう一人……ルイズもタバサに負けないくらい静かで、しかも 纏う雰囲気がどこか重かった。 キュルケが才人をつつく。 「ねぇサイト。ルイズ、一体どうしちゃったの? 朝から変よ。黙っちゃって……」 「いや……実はな」 才人が事情を打ち明けると、キュルケは驚いた声を上げた。 「まあ! 精神力が!」 「しッ! 声が大きいよ」 実は今のルイズは、精神力を使い果たして魔法を撃てない状態に陥っているのだった。 それが発覚したのは、前述のタバサに読み書きを教わったことに連なる混乱の際。タバサが 才人をいやに親しくしているのをルイズが邪推し、そこからなんやかんやあってまぁいつも通りに ルイズが憤怒して爆発を食らわそうとしたのだが……何も起きなかったのだ。他の魔法も一切、 発動しなかった。 このことについてデルフリンガーが、ルイズの精神力が底を尽きたのだと語った。しかも “虚無”の魔法の場合は普通の系統魔法よりも溜めるのに長い時間が掛かり、いつ回復するかは 彼にも分からないという。 「強いってことは、それだけ使いづらいってことさ。むしろ今まであれだけバカスカ撃ってて、 よく持ってたもんだよ。恐らく、相棒がそうだったように、娘っ子もでっけえ悪を前にした際の 感情の高ぶりで精神力を生み出してたんだろうな。だがそいつも遂に限界が来たんだろうね。 そうそう上手い話はねえってことさね」 それで朝から落ち込んでいたルイズではあるが、どうもそれだけではないようだった。 出発時に彼女へ実家からの手紙が届いたのだが、それを読んでからますますひどくなった ように見える。アンリエッタを前にした時も、ひと言も発しなかったくらいだ。 どんな内容が書いてあったのかは知らないが、あの厳格な家族の元から送られてきたものだ。 きっと今のルイズに追い打ちを掛ける内容だったのだろう、と才人は考え、ひとまずはそっと しておくことにした。 「あらら、じゃあゼロのルイズに逆戻りって訳? でも、爆発すらしないんじゃ、更に重症ね」 「言うなよ。気にしてるんだから」 「でも、そっちの方がいいんじゃない?」 キュルケが真顔で言った。 「何でだよ」 「あの子に“伝説”なんて、常々荷が重いって思ってたの。あたしぐらい楽天的な方が、 過ぎたる力にはちょうどいいのよ」 そうかもしれない、と才人は思った。 さて、一行はティファニアの家の前に並んだ。藁葺きの屋根から、煙が立ち上っている。 「お、いるみたいだな」 「いやぁ、こんな簡単な任務でいいのかねぇ。いつもの怪獣に追われるような苦労に比べたら、 何だか拍子抜けしてしまうよ」 ギーシュが鼻歌交じりに言った。 「もう、ほんとにお前ってば緊張感がない男だな」 「きみに言われたくないな。というか最近のきみはおかしいぞ」 「俺が?」 「そうさ。何だか妙な使命感に振り回されているように感じるよ。昔のきみはもっとこう、 適当だったじゃないか」 「そうか?」 「ああ。もっと気楽にいきたまえよ。気楽に! あっはっは!」 確かに言われてみれば、最近はどうガリアに立ち向かうかということばかり考えているような 気がすると感じる才人だった。しかし状況が状況だし、幾度もの戦いを越えて戦う勇気を手に したのだ。考え方の一つくらいは変わるだろう、と重くは受け止めなかった。 「そんな油断してるとね、ろくなことがないわよ」 キュルケがギーシュに呆れた目つきを送った。 「望むところさ! ウチュウ人でも何でも来い! さてと、この家だな」 ギーシュは調子づいて、ティファニアの家の扉の前で声を張る。 「ご家中の方に申し上げる! オンディーヌ隊長、ギーシュ・ド・グラモン! 王命により 参上つかまつった! では御免」 返事もなしに扉を開けたギーシュが、一瞬で固まる。 「何よ。どうしたのよ。ほんとに中にウチュウ人がいたの?」 キュルケも中を覗き込むと、やはりその身体が硬直した。 才人とタバサは顔を見合わせて、二人同時に扉の中に顔を突っ込んだ。家の中にいた二人の 人物の姿に、才人たちも固まった。 一人はティファニア。こちらに呆然とした顔を向けている。しかし懐かしいティファニアに、 声をかける余裕さえなかった。残りの一人が問題だったのである。 タバサがつぶやく。 「フーケ」 もう一人は、学院から破壊の杖――スパイダーと青い石を盗み出そうとした盗賊であり、 ウェールズを一度殺害したワルドに協力していた女であり、タルブの村を焼き、あの悲惨な アルビオン戦役の原因となったレコン・キスタに与していた、フーケがそこにいたのだった。 そこから、一時は大混乱となった。激昂した才人がフーケに斬りかかり、激しい決闘が 始まろうという事態にまでなった。しかしそれを止めたティファニアによって、フーケの 意外な事実が明らかとなった。フーケの本名はマチルダであり、彼女の父が仕えていた 相手でありフーケの命の恩人の娘がティファニアだということが。どこから捻出されているか 不明だったウエストウッド村の生活費は、フーケによって賄われていたのだ。もちろん、 フーケは己の仕事をティファニアには秘密にしているのだが。 憎き相手ではあるが、ティファニアの姉代わりだという彼女をよりによってティファニアの前で 倒すことは出来ない。才人たちは仕方なしに、フーケと同じ空間を過ごすことになった。ずっと ギスギスした空気が漂い、ハネジローだけが同じ小怪獣のミーニンに興味を持って戯れていた。 そして本題である、ティファニアのトリステインによる保護に関しては、意外にもフーケが賛同した。 その晩、さっさと帰り支度を行うフーケを才人は呼び止めて問いかけた。 「俺たちがどうしてテファを連れていこうとするのか、聞かないのか? 心配じゃないのかよ」 フーケは微かに寂しそうな表情を浮かべて、答えた。 「どんな道だろうが、わたしと行くよりは、マシだからさ」 そのひと言に、フーケも己の現状に思うところがあるのかもしれない、と才人は一瞬思った。 フーケはローブを深く被ると、才人に告げた。 「あんたもたまには、故郷に帰るんだね。親に顔を見せてやりな。わたしみたいに、帰る場所が なくなっちまう前にね」 その言葉が、才人の頭の中に残った。 眠れない才人はティファニアの家の外に出て、ぼんやりと月を見上げながらフーケに言われた ことを脳裏で反芻していた。 『故郷に帰るんだね』 そう言われても、ゼロと合体している内は帰ることは出来ない。 しかし……いざ分離する時が来たとしても、自分は地球に帰ろうとするのだろうか? どういう訳か、その欲求が湧いてこないのだ。何だか、自分のことでない話のように感じる……。 「サイト」 不意に名前を呼ばれ、振り返ると、ルイズが傍に来ていた。ずっと黙っていたのにどうしたのだろう、 と手を伸ばすと、ルイズの頬が濡れているのが触感で判明した。 ルイズは泣いているのだと、才人は慌てた。 「おい、どうしたんだよ。泣いてるじゃねぇか」 才人の言葉を無視して、ルイズは言った。 「あんた、帰りたくないの?」 「……え?」 「故郷に、帰りたくないのかって、聞いてるの」 「どうして、いきなりそんなこと聞くんだよ」 「答えて」 才人はゆっくりと、最近いつも繰り返していた言葉を口にした。 「いや、こっちの世界で、やれることをやってから帰ろうっていうか……」 「嘘」 「嘘じゃねぇよ」 「じゃあ、どうして、ちいねえさまには故郷のことを相談したの? わたしにはそんなこと、 ひと言も言わないのに」 才人は一瞬、呆気にとられる。 「どうして、お前が知ってるんだよ」 「ちいねえさまからの手紙に書いてあったのよ」 手紙を差し出すルイズ。それを受け取った才人は、月明かりの下で読む。タバサに教えて もらったお陰で、字を追うだけで内容が頭に飛び込んできた。 そこには、故郷を想っていた才人が心配であること、ルイズには才人を故郷に帰す義務が あることが書かれてあった。 涙で顔をぐしゃぐしゃにして、ルイズは言った。 「どうしてあんたは、わたしに本音を打ち明けてくれないの?」 才人はその理由を考える。惚れた女には弱みを見せたくないから……だけではない気がした。 そもそも、ルイズの前で故郷を意識したことがほとんどないのだ。 ルイズの後ろから、小さな声が答えた。 「使い魔だから」 「タバサ」 タバサがいつの間にか外に出てきていた。ルイズは自分に言い聞かせるように言った。 「そう。タバサの言う通りなんだわ。だからあんたは、わたしが傍にいると、帰りたいと 心の底から思わない。いや、思えない。こっちの世界に、いなければならない理由まで 作り上げて、あんたはわたしの傍にいようとする。いや、させられてる」 「違う。それは違う。それは……」 才人は否定しようとしたが、し切れなかった。ルイズの言うことは、筋は通っている。 タバサが語る。 「使い魔は、主人の都合のいいように“記憶”を変えられる。記憶とは、脳内の情報全てのこと。 あなたが簡単な勉強で、わたしたちの文字を覚えたのもそう。あまり故郷のことを思い出さない のもそう。そして“ガンダールヴのルーン”は、あなたの心の中に『こっちの世界にいるための 偽りの動機』を作ったのかもしれない。あなたは本当の気持ちをごまかされてる可能性がある」 「そんなことがあるのかよ?」 「その効果は、時間が経つにつれ、強くなる。使い魔が徐々に慣れ、最後には主人と一心同体にも なるのは、そういうこと」 「パム……」 タバサの頭の上のハネジローが、不安げな視線を才人に向けた。 「おいおい、そんな、自分が自分でなくなるなんて、そんなことが……」 才人がそう言ったら、背負っているデルフリンガーが発した。 「まあな、自分のことは、自分が一番分からんもんさ」 才人は思い悩む。タバサの言うことは真実なのか。自分は心を、知らず知らずの内に変えられて いたのか。もしかしたら、ゼロとともに戦う勇気までも、ルーンによって作られた感情では……。 「い、いや、それだけは絶対に違う! 作りものの勇気で、試練を乗り越えられたはずがねぇ! 俺の中に芽生えた勇気だけは本物だ! なぁ、そうだよな!?」 左腕のブレスレットを持ち上げて、ゼロに助けを求める。ゼロからの返答はこうだ。 『ああ。お前の勇気は本物だと、俺が保証するぜ。お前の熱い心の震えを肌で感じれば、 それは確かに分かる』 一瞬安堵する才人だったが……。 『けど、勇気は己の本心を覆い隠すためのものでもねぇ。……才人、お前は自分の偽りのない 本当の気持ちと向き合う必要があるのかもしれない』 「い、偽りのない本当の気持ちなんて……そんなのどうすれば」 才人が戸惑っていると、ティファニアたちまで目を覚まして才人たちの元に来た。 「サイト、それ、本当なの?」 「ティファニア」 「あなたの気持ちが偽られてるとか、記憶を変えられてるとか……」 「分かんねぇ。自分がどうなのか、自分じゃよく分からねぇ」 正直につぶやくと、ルイズがティファニアの方を向いた。 「ねぇ、ティファニア。あなた、記憶を消せるじゃない。その部分を消すことが出来る? ガンダールヴのルーンが作った才人の心の中の、『こっちの世界にいるための偽りの動機』を 消すことが出来る?」 「分からないけど……」 「出来るだろうさ。“虚無”に干渉できるのは、“虚無”だけだ」 「おいおい、人の心に勝手なことすんなよ!」 才人は叫んだが、デルフリンガーは取り合わずにルイズに問いかける。 「でもな、娘っ子……。その部分を消したら、お前さんへの気持ちもなくなっちまうかもしれないんだぜ」 「いいわ」 ルイズはきっぱりと言って、涙を拭いながら気丈に言い放った。 「め、迷惑だもん。す、好きでもない男の子に言い寄られるなんてひどい迷惑だわ。勝手に ナイト気取りでおかしいわよ。ほっといてよ!」 「ルイズ……お前……」 「ほら、さっさと魔法をかけられて、元のあんたに戻るがいいわ」 「ルイズ!」 ルイズは駆け出したが……一旦立ち止まり、うつむいて言った。 「わたし、お手伝いしたいけど。今のわたしじゃ無理よね。本当のゼロのルイズじゃ……」 ルイズはそれだけ言い残すと、この場から逃げていく。追いかけようとした才人の腕を、 キュルケとギーシュが掴んだ。 「離せよ! 離せ!」 「ぼくはね、きみを友人だと思う。だからこそ、こうした方がいいと思うんだ」 「あたしも同じ気持ちよ」 二人は珍しく真剣な顔で、うなずき合う。 更に才人の耳に、虚無のルーンが聞こえてきた。 「ティファニア……」 見ると、真剣な顔をしたティファニアが、才人に向かって虚無のルーンを唱えていた。 呪文が完成し、杖が振り下ろされると……才人の意識に色んな光景が現れてきた。 学校から帰ってきて、くぐった自宅の玄関。いつも観ていたテレビの番組。電話越しの クラスメイトとのどうでもいい会話。隣の席だった女の子。母の味噌汁の味。そして母の顔……。 それまで抑圧されていたものが解放されると、才人の目からどっと涙が溢れ出た。 「……帰りてえ。帰りてえよ」 そのつぶやきを最後に、才人は意識の糸が切れた。 翌日の早朝、ルイズたちはロサイスへの道をとぼとぼと歩いていた。 昨晩に気を失い、それから一度も目を覚まさなかった才人はウエストウッド村に置いてきた。 タバサが才人についていると言ったので、彼らは陸路でロサイスを目指しているのだ。 「ここからロサイスは五十リーグは離れてるんだろ? そんな距離を歩くなんて、いや、 随分と大変だな」 「仕方ないでしょ。タバサが残るって言うんだから。サイトが国にすぐには帰れないって、 そんなに遠いところなの?」 黙って唇を噛んでいるルイズに、キュルケが囁きかける。 「なんてね。ほんとはあたし、知ってるの。サイトが別の世界とやらから来た人間で、 ウルトラマンゼロの正体ってこと。タバサと一緒に気づいたのよ」 チラッとルイズに視線を送るキュルケ。 「しかしまぁ、あんたも冷たいわよね。何回もお世話になったサイトを置いていっちゃうなんて」 ルイズは押し黙ったまま、何も答えない。 「ねぇルイズ」 「何よ」 「ほんとはあなた、怖いんでしょ」 「何が」 「サイトの自分に対する気持ちが、使い魔としての気持ちだったらどうしようって……。 あなたはそれを見たくない。だからこうやって結果を見届けずに逃げ出してる」 「違うわ」 「タバサが“預かる”って言ってくれなかったら、どうするつもりだったの? 放っておいたの?」 「そんなことしないわ。姫さまが急いでティファニアを連れてこいって言うから、仕方なく 先に行くだけよ。タバサがそう言ってくれなかったら、そりゃ残ってるわよ」 「言い訳だけは一人前なんだから」 「言い訳じゃないもん」 「もし、サイトのあなたに対する想いが、使い魔のそれだったら、あなたはどうするの?」 「どうもしないわ。サイトがゼロと別れられる時が来たら、見送ってあげる。それだけだわ」 「じゃあその想いが、サイト自身の本物だったわ?」 「か、変わらないわよ」 「今、照れたわね」 「照れてない。照れてないわ!」 「ほんとに分かりやすい子ね。あなた。やっぱり大好きなんじゃないの。サイトのこと」 「勘違いよ! 馬鹿!」 「ねぇルイズ。あなたの今の行動、卑怯よ。相手の気持ちが偽りだったとしても、あなたの 気持ちがそうじゃないならいいじゃない。今度こそ、自分自身の魅力で勝負すればいいだけの話だわ」 「……わたし、好きじゃないもん」 と自分に言い聞かせるルイズだったが、目からは涙がこぼれた。 本当は分かっているのだった。キュルケの指摘が紛れもない真実だということを。彼女に とってはどんな大怪獣よりも、才人の自分への感情が偽りだったということを確かめることの 方が怖いのだ。だからこんな風にみっともなく、尻尾を巻いて逃げ出している。 才人と過ごした時間が、思い出が、掛けられた言葉が、全部嘘になってしまう。この世で 何より大事なものが……。どんなに成長しようとも、それを確かめられるルイズではなかったのだ。 最後尾のギーシュは、一人うなっていた。 「何だか哀れになって、サイトの“こっちの世界にいるための偽りの動機”とやらを消すことに 賛成してしまったが……考えてみたら余計に可哀想なことをしてしまったんではないかな」 もしかしたら才人は、そう思うことで精神のバランスを取っていたのかもしれないのではないか、 とギーシュは今更ながらに考えていた。『こっちの世界で自分が出来ることをする』というのは、 使い魔だからというだけでなく、精神のバランスを取るために、才人の心が生み出した苦肉の策では ないのか。 でも、才人は故郷に帰ろうという素振りを見せたことはついぞないではないか、とも思い、 自分がもし使い魔として召喚されたら? と想像した。 「うーむ」 しかし上手く想像できなかった。ハルケギニアしか知らないギーシュには、他の土地の ことなんて思い描けなかった。 そのため考え方を変えてみた。今の才人の置かれている状況を、自分に当てはめてみたのだ。 まず女の子がいて、次にメイドの女の子がいて、もう一人小さな女の子がいて、最後に ハーフエルフだが巨乳の女の子。そして忘れちゃいけないのが、 「みんな可愛い、という点だな、うん」 ギーシュははた、と膝を叩いた。何だ、そんな場所に召喚されたら、帰る必要なんかないじゃないか! 何とも浅はかな結論にたどり着いたギーシュは、この事実を落ち込んでいるルイズに教えて やろうと駆け出そうとしたが、その時に後ろから肩をちょんちょんとつつかれた。 「ん? 誰だね。今、忙しいんだ。後にしてくれたまえ」 再び、その肩が叩かれた。 「全く、ぼくの肩を叩く奴は誰だ?」 ふと疑問を抱いた。一緒に村を発った者が全員、自分の前にいる。彼らが自分の肩を叩く ことは出来ない。ということは……。 「きみはサイトだな! うんそうだ。どうしたね。戻ってきたのかね。というかきみの言った通り、 あのティファニアという女の子、胸が大変にけしからんな! あれはちょっと本物かどうか、 確かめる必要があるとこのギーシュ、考えた。断然同意だろう? なあきみ!」 振り返ったギーシュは絶叫する。 「ぎぃやああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」 それで前を歩くルイズたちは一斉に振り返った。彼らの顔は一瞬で青ざめる。 「な、何よあれ!」 いつの間にか自分たちの背後に、巨大怪獣が出現していた。 いや……あれも『怪獣』と呼んでいいものなのか? 身体の半分ほどもある異常な大きさの 一つ目から、手足が生えているかのような針の振り切れた異形。どう見てもまともな生き物 ではない。その眼が自分たちをジロジロ舐め回していた。 「イヒヒヒヒヒヒヒヒ!」 巨大な目玉そのものの怪物……奇獣ガンQが笑い声のような鳴き声を発した。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 幕間その五「その時ウルトラセブンは」 宇宙斬鉄怪獣ディノゾール 宇宙斬鉄怪獣ディノゾールリバース 登場 M78ワールド。それは皆ももうよく知っている、我らがウルトラマンゼロの故郷。M78星雲の存在する、 数多のウルトラ戦士の宇宙である。 その宇宙の一画で現在、赤い流れ星が青い流れ星を追いかけ、広大な宇宙を横断していた。 「キャァ――――――――!」 青い方の正体は、青みの掛かった外骨格に全身を包んだ大怪獣。日本の尻尾をたなびかせ、 四つもある眼をギラギラと光らせる。下顎は左右に二つに分かれ、金属音に似た甲高い雄叫びを上げる。 この怪獣の名はディノゾール。驚くほどに長い歯舌を振り回し、あらゆるものを両断してしまう 恐ろしい攻撃力を持った宇宙怪獣だ。 そしてそれを追跡する赤い流れ星の正体は、銀と赤のボディの中央に菱形の青いカラータイマーを 輝かせる、我らのウルトラ戦士だ! 「セアァッ!」 ウルトラ戦士は十字に組んだ腕から黄金色の光線を発射! その光線はディノゾールの首に見事命中! 首から上が丸ごと爆散したディノゾールは高度を落としていき、宇宙に漂う小惑星の表面上へと 墜落していった。ウルトラ戦士もその後を追い続け、小惑星上に飛び込んでいく。 「タァッ!」 ダァンッ! と土煙を巻き上げて着陸した、若々しくも雄々しい雰囲気を纏った勇姿。 彼の名は、ウルトラマンメビウス! 一方、首を失い上下逆さまに地面に刺さったディノゾールだが、命が失われたはずの肉体が 突如として不気味にうごめき出した。二本の尾が引っ込んだかと思えば、二つの新しい頭部を 持った首へと変形。手足もメキメキと形を変え、腕は脚部に、脚は背面を覆う装甲と化す。 首のあった部分からは新たな尾が伸び、上下反転した姿勢のまま別の怪獣へと生まれ変わった! 「キャァ――――――――! カァァァァァァッ!」 この姿は通称ディノゾールリバース。肉体の極性を反転させて復活するという、数いる怪獣の中でも 他に類を見ない極めて特異な性質を持っているのだ。最大の武器の歯舌が二本となることで戦闘力は 増大するが、宇宙怪獣に最も大事な飛行能力は失われる。そのため、群れを作るディノゾールに 強大な外敵が現れた時、一匹が犠牲となって群れ全体を逃がす生存本能の発展した末に生じた 特殊な再生能力と囁かれている。 「セアッ!」 復活したディノゾールリバースに、メビウスは勇敢に立ち向かっていく。しかし接近しようと 駆け出したその時に、ディノゾールリバースが先手を取って双頭から歯舌、断層スクープテイザーを伸ばした。 シュンシュンッ、と線が宙を舞い踊った、かと思われた次の瞬間、メビウスの身体を恐ろしく速い斬撃が襲う! 「ウワァッ!」 ダメージをもらうメビウスの後方で、小惑星の岩山の先端が綺麗に切断され、地面へと滑り落ちていった。 ディノゾールの歯舌は最長百万メートルにも及ぶ長さに対して、直径はわずか一オングストロームしかない。 そのため、ウルトラ戦士の視力を以てしても見切るのは困難。しかもそれが二本となっては、メビウスの苦戦は むしろ当然といったところだ。 「キャァ――――――――! カァァァァァァッ!」 ディノゾールリバースは凶刃の舌の二刀流を存分に振るい、メビウスをもてあそぶように苦しませる。 メビウスは相手の猛撃に、なかなか反撃に出ることが出来ない。 しかしメビウスも立派な勇士の一人。このくらいでは参らなかった! 「シャッ!」 左腕に装着したメビウスブレスから引き出したエネルギーを両手に宿らせることで、手刀を文字通りの 光刃と化す。ライトニングスラッシャーだ! 「ハッ! タッ! セアァッ!」 そして猛然と前へ駆け出すメビウス。断層スクープテイザーが飛んでくるが、メビウスは恐るべき 凶器を見事に見切り、手刀でぶつ切りにしていく! 自身の一番の武器を切り落としながら接近してくるメビウスにディノゾールリバースは 恐れおののいた。しかし行動を取ろうとした時にはメビウスは肉薄し切り、すれ違いざまに 相手の胴体を水平に切り裂く! 「キャァ――――――――! カァァァァァァッ!」 大ダメージをもらったディノゾールリバースの動きが大幅に鈍る。一方で振り返ったメビウスは、 再びメビウスブレスに沿えた右手を走らせてエネルギーを引き出す。両手を頭上へ持っていくと、 輝く光の帯が無限を示すメビウスの輪を作り上げる! 「セアァーッ!」 そして発射する、必殺のメビュームシュート! その一撃は、ディノゾールリバースを 跡形もなく吹き飛ばした! 逆転勝利を飾ったメビウス。そんな彼から少し離れた二か所の地点に、ウルトラ戦士と 別のディノゾールが一対ずつ着陸する。 「キャァ――――――――!」 二体の別個体のディノゾールに相対しているのは、紅蓮の鋭き眼差しの戦士と荒々しくも 女性的な柔和さを面影に両立した不思議な戦士。 偉大なる先輩戦士、ウルトラセブン! そしてウルトラマンエース! 「キャァ――――――――!」 ディノゾール二体は彼らに歯舌の斬撃を繰り出す。だがさすがは歴戦の勇士たち。ほぼ不可視の 攻撃を見切り、難なく回避した。 「ジュワッ!」 セブンは頭部のアイスラッガーを投擲。ゼロスラッガーの元祖とも言える宇宙ブーメランは素早く 断層スクープテイザーを根本から切断し、ディノゾールから武器を奪った。 「キャァ――――――――!?」 「ジュワーッ!」 ひるむディノゾールにセブンは右腕を脇に、左腕を胸の前に置いた姿勢を取り、額のビームランプから 緑色のレーザー光線を照射! これぞ必殺のエメリウム光線だ! 「キャァ――――――――!!」 エメリウム光線の一撃はディノゾールを一瞬で爆裂させた! 「トアァーッ!」 エースの方もディノゾールへ必殺の光線技を放とうとしていた。両手にエネルギーを溜めると それを額のランプまで持っていき、更に増幅して集中。最後に両手から赤色光線として発射。 パンチレーザーの強化版、パンチレーザースペシャルだ! その攻撃により、最後のディノゾールも粉々に粉砕された。三体の怪獣を倒すと、メビウスが 二人の戦士の元まで歩み寄って話し掛ける。 『セブン兄さん、エース兄さん、この宙域の怪獣は全て倒したみたいです』 『うむ、これでひと安心だな。しかし、他の場所ではまだまだ怪獣が暴れていることだろう。 ひと息ついている暇はない』 セブンがうなずきながらもそう語った。 ゼロがハルケギニアに赴いた頃と前後して、M78スペース全体で怪獣が凶暴化し、各地で多大な 被害を出す事態が相次いでいた。そのため宇宙警備隊は宇宙のあらゆる場所にウルトラ戦士を 向かわせ、事態の鎮静化を図っているのだ。しかし未だにその目途は立っていない。 メビウス、セブン、エースの三戦士も、群れから離れて人の住む惑星を襲撃しようとしていた ディノゾールたちを発見し、被害を未然に防ぐためにやっつけたのであった。 『80によると、宇宙全体のマイナスエネルギーが増大傾向にあります。原因を突き止めねば、 どれだけ怪獣と戦ったところで事態の解決にはならないでしょう』 とエースが意見する。 『しかし、その原因が一向に掴めないのがもどかしいところだ。私たちはその時まで、怪獣の被害を 食い止めねばならない』 セブンがそう言い、新しい現場に向かおうとしたその時、不意に星空の彼方を見上げた。 『む……!』 『セブン兄さん、どうしましたか?』 メビウスが怪訝そうに尋ねると、セブンは二人に向けて告げた。 『……次元の彼方から、ゼロの気配が途絶えた』 『えぇッ!?』 この時、ハルケギニアではちょうどゼロが、己の命を引き替えにしてヤプールの膨大な闇を 祓ったところであった。セブンは親子の絆といえる超感覚により、その事態をキャッチしたのだった。 エースとメビウスは泡を食う。 『大変なことではないですか! まさかヤプールに……!』 『セブン兄さん! やっぱり、あなただけでもゼロの元へ向かうべきですよ!』 メビウスはそう意見したが、それを却下する声が降ってきた。 『いや、その必要はない』 『! ゾフィー兄さん!』 見上げると、ウルトラマンによく似た容姿の戦士が彼らの元に降りてくるところだった。 胸と両肩には、点の列が飾られている。 彼の名前はゾフィー。偉大なウルトラ兄弟の長男にして、宇宙警備隊の隊長を務める、 ウルトラの星でも特に重要なポストの戦士なのだ。 そのゾフィーが語る。 『意識を集中すればわかるだろう。一時は異次元から強烈に感じられた、ヤプールの闇の波動が なくなっていることに。ゼロはヤプールに勝ったに違いない』 『しかし、ゼロは相討ちになったみたいです! 彼の生存も危うい状況ですよ! ゼロの命を助けなければ……!』 メビウスが反論するが、肝心のセブンがそれをさえぎった。 『いや、ゼロなら大丈夫のはずだ』 『セブン兄さん……!?』 『ゼロも今や立派なウルトラ戦士だ。ウルトラ戦士は、そう簡単に死んだりはしない。ここにいる全員が、 そのことを分かっているはずだ』 どのウルトラ戦士も、楽に戦いを終わらせた経験などほとんどない。誰もが厳しい戦いをくぐり抜け、 死の淵に瀕することもあった。しかし、彼らは悪にどれほど追い詰められようとも、最後には復活して 逆転を果たした。セブンもメビウスもエースも、そんな経験をしている。 『その理由は、守るべき人たちの声が私たちの命を支えてくれたから。ゼロだって、今は気配が 感じられなくとも、助けを求める声があれば必ず再び立ち上がるだろう。私はそれを信じている』 父親であるセブンがそう言う以上は、エースとメビウスに異論はなかった。 『セブン兄さんが信じるのでしたら、俺も信じますよ。ゼロの復活を!』 『はい! ゼロが帰ってくる日を僕も待ちます!』 四人のウルトラマンは、宇宙の果ての更に先、ハルケギニアの宇宙のどこかにいるはずのゼロに思いを馳せた。 『ゼロ……お前の光は不滅だということを、この父に示してくれ!』 セブンは、今はどこにいるか分からないゼロに向けて、願いを込めた。 ……その頃の、惑星ハルケギニア。シティオブサウスゴータから南西に百五十リーグ近くも 離れた森の中に、突如として一人の少年の姿が虚空から飛び出すように出現し、そのまま地面に うつ伏せに倒れ伏した。 少年の背負う剣が声を発する。 「どうにか成功か……。まったく……、“使い手”を動かすなんざ何千年ぶりだ? しかもこんな やり方は初めてだぜ……」 嘆息したのはデルフリンガー。彼を背負う少年はもちろん、才人である。 デルフリンガーはヤプールの闇をかき消すゼロの光が消えかけた正にその瞬間、吸い込んだ魔法の分だけ ガンダールヴの肉体を動かす能力の応用で、ゼロのテレポーテーション能力を使ってゼロ=才人を脱出させたのであった。 「相棒、滅茶苦茶まずい状態だぜ……。俺っちももう魔法が切れちまったし、どうしようもできねえ。 近くに人がいればいいんだが……そもそもここはどこだ……」 デルフリンガーは自分たちがどこへ飛んだのかも知らなかった。しかしそれは無理のないことだろう。 試したこともない手法をぶっつけ本番で実践した上に、テレポートの瞬間がわずかにも早かったら ヤプールを倒し切れず、わずかにも遅かったらゼロと才人は消滅していたというシビアすぎる タイミングだったのだ。転移先を選ぶ余裕があるはずがない。無事に着地できただけでも奇跡のようなものだ。 それは非常に分の悪い賭けであった。しかもその賭けはまだ続いている。ここで才人が助からなければ、 結局は何の意味もないのだ。 「相棒、お前さんの運が『虚無』の魔法並みに強けりゃ、まだ助かる道があるんだがな……」 ともかく、もうデルフリンガーは一歩も動けない。才人が助かるか否かは、天命に預けるしかない。 ……その時、彼らの近くの樹の陰から、ガサガサと物音が立った。 「お?」 目はないが、視線を向けるデルフリンガー。どうやら近づいてくる気配は、獣のものではないようだ。 「……へへッ。相棒、お前さんはツキに見放されてないみてえだな」 倒れ伏す才人の元へと、人影がそっと近づいてきた。 流れるような美しい金の髪から覗く耳は――人間ではありえないほどにとがっていた。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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渡り廊下のほど近くに倒れた男へ向かい コルベールが寄ってくる そしておもむろに杖を振り上げた あわてるのはキュルケだった 「ちょっと、何をなさるおつもりッ!?」 「決まっているでしょう、殺すのですよ 彼…『この存在』は危険すぎる」 「バカなことをッ!! これなら充分、生け捕りにできるじゃありませんのッ」 生徒にあるまじき態度でくってかかるキュルケ 一応、敬語を使ってはいるが ガンバりを無駄にされて笑っている趣味はないッ だがコルベールも引き下がらなかった 「タダの使い魔であればそれも良いでしょう しかし、これはあまりに得体が知れないッ おまけに出てくるなり危害を加えたならば 皆を監督する者として、こうする以外にありませんッ」 スジは通っていた 出てくるなりいきなり殴りかかってくる使い魔など前代未聞だった 危険な生物を召喚してそのまま放っておき続ければ あるいはそんなに不思議なことでもないかもしれないが それでもキュルケは食い下がる 「ですが、あれは平民ですわ、ミスタ・コルベール」 「それこそバカなことではないのかな? 本気で言っているのかね?」 「………」 黙るしかなかった あんな平民がどこにいる? だが、それでも 今、目の前で折れた足をかばっている男は理性ある「人間」だ 最後の方、攻撃を明らかにためらったことに気づいていたキュルケである そこに火球を浴びせかけて反撃せざるをえないように追い込んだのだ そうしなければ、男は戦いをやめ、どこかに逃げるなりしていただろう 最初に暴れたワケは不明なままだが とにかくキュルケは確信していた それを言おうと口を開くがコルベールに先手を打たれた 「それに、だとしたらますます存在を許すわけにはいかない 貴族を殴り、使い魔を山ほど傷つけた そんな平民が生きていられると思うのかね?」 もっともだ もっともすぎる これほどハデにことが起これば隠蔽など不可能 人間と認めたら認めたで、かばいようがないッ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「つまり、『これ』には死刑判決以外ありえない」 コルベールは厳粛だった そして振り向く この真なる当事者に 「良いですね、ミス・ヴァリエール」 ビクッ ぐずりながら見守っていたルイズは肩を震わせる 何を言われたか そのくらいは理解していた 「気に病むことはありませんよ これは事故なのです あなたには何の責任もない これを始末した後で、また儀式をやり直しましょう そのくらいの時間はとってあげられます」 「……」 (…そうだわ これは事故なのよ 私には何も責任ない こんなところに出てきた平民がおかしいのよ) くじけた心はまたたく間にルイズに『弱い考え』を植え付けた (私は「ゼロ」じゃない だから、あんなの私が呼ぶわけがない これは何かの間違いなのよ そうに決まってるのよ…) ルイズは、コルベールに向かってうなずいてしまった 死刑の執行許可書にサインしてしまった (…見ッ下げ果てた奴ッ アンタ、やっぱり「ゼロ」だわ、ルイズ) キュルケが苦虫を噛み潰す横で コルベールが呪文の詠唱を始める 足を折られた元・鳥の巣は、なんとなく置かれた状況を理解した ナニゴトか唱えた後で炎が飛んできたり地面が固まったりしてきたのだ どうやらこのハゲは自分を殺す気らしいぞ そう思ったらしい 最後の抵抗を試みたようだ 「DORA!!」 ボコァ 見えない手が掘り返した土くれがコルベールに投てきされる ボグォム 「―― ぐはッ!?」 至近距離からのレーザービーム送球ッ!! 単なる土くれだったがスピードがシャレにならない 下腹部に直撃されたコルベールは呪文を中断して咳き込むことになる そして彼は男が闘志をあらわに睨み付けていることに気づくのだ 「…恐れることはない、私にも情けはあるさ 苦しませはしないよ…『炎蛇』の二つ名にかけてなッ」 『火×1』 正面からが駄目ならカラメ手だった 男の前後左右から迫り来る、文字通り炎の蛇ッ ススス ドヒャ! ドヒャ! のけぞって逃れようとする男の顔へ容赦なく飛びかかり 口をふさいで巻き付いたッ ゴゴゴォ チリ…チリ… 「Go…aa!!」 振り払おうと身体を激しく振るう男 見えない手もさかんに振り回されているようだ だが蛇は炎の塊でしかない つかめるものが何もない 白目をむくッ!! 炎を呼吸して肺を焦がすか 顔を焼かれたまま長い窒息の苦しみの果てに死ぬか 非情な二者択一をコルベールは迫ろうというわけだ 「早く受け入れたまえ…そっちの方が、楽だぞッ」 「Gaooa…DORAa!!」 バコォ ようやく「自分の顔を殴って脱出」という方法に思い至った男だったが その力は予想を越えて貧弱だった 炎の蛇が振り切れないッ 「なるほど、君自身の生命力に依存する力かね… 死にそうになればなるほど弱っていくわけだ 正直、興味深いよ だがね、生徒達の安全には変えられないんだ わかってくれるね」 這って渡り廊下までついた男だったが そうしたところでどうにもならない どうにかなりそうなモノも見当たらない 「王手の詰み」(チェックメイト)にハマッたのだ 「では、死…」 ゴッバォオーz_ ン その爆発は、トドメに刺された一撃ではなかった コルベールに使える魔法では、無いッ!! なにっ!? たったひとつの心当たりを見てみれば、 やはり、だがなぜ…ゼロのルイズが魔法の杖を掲げ、振り下ろしていた 「…これは一体、何のマネだね ミス・ヴァリエール」 今ので吹き飛ばされた男は全身、服がミジメなことになりはしたが まとわりついた炎の蛇もまた、どこかに消え失せてしまっていた 肩で息をして返事をしないルイズに、コルベールは再び問う 「…何のつもりだねッ!!」 ゼェ…ハァ… ルイズは少し呼吸を整え、答えた ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「儀式は途中です、まだ終わっていません」 「どういう意味だね、言っていることが少し、わからないのだが…」 「契約を続けるんですッ!! そこの、私の使い魔とッ」 ルイズは実家の家族達を思い出していた キビシイ父、キビシイ母、それにキッツイ長女ッ 魔法がマトモに使えていないことでだけでも 自分の頭をカチ割りたくなるような追及を受けまくっているのに そこへ今回の話がいったらどうなる? 予想どころではないし考えたくもない だが (ちい姉さま…) 次女カトレアはルイズに優しいのだ 怒られてばかりのルイズをなぐさめ励ましてくれたのはいつも「ちい姉(ねえ)」だった 今この瞬間だって絶対にそうだろう 父と母と長女の態度がつらくても、ちい姉さまがいるから頑張れる もちろん、今回のこれを聞かせることになると思うと泣けてくる しかしッ (呼び出した使い魔を見捨てて… そんな私に、ちい姉さまは笑ってくれるの…?) 答えはNOだッ ルイズの中のちい姉さまは許さないッ (ちい姉さまに会いに行くのに、イチイチおびえなくちゃいけないようになるなんて… 顔を見るたび、オドオドしなきゃいけないようになるなんて… 私はイヤよ、絶対にッ!!) だが考えてもみる あの使い魔はイキナリ暴れて大変なことをしでかした 今は死刑宣告をくらって執行されようとしている そんなものと一生寄り添って、どうするつもりなのだ? 新しく使い魔を呼んだ方が… (使いこなしてみせるわよ) そんな弱音は握りつぶしてみせるッ (ちい姉さまがたくさんの動物を手なずけるようにッ そうすれば…私は「ゼロ」じゃ、ないッ!!) ルイズは男の前に立ち、両腕を広げた 今まさに攻撃を再開しようとしているコルベールから、男を守るようにッ 「…セ・シ・ボン(結構だわね)、ルイズ」 一時は自分が彼の身柄を買い取ってしまおうかとまで考えていたキュルケだったが 進み出たルイズの姿にヒュウッと軽く口笛を鳴らした 「言いたいことはわかりましたよ、ミス・ヴァリエール」 杖は下ろさないまま、コルベールは言う 「あなたは全部、責任が取れるというのですね? 使い魔や衛兵の治療代に、貴族子弟を危険にさらした賠償金、全てをッ」 「……」 「使い魔が噛みついた責めは、全てその主にあるッ わかっているというのですねッ?」 「…わかっていますッ!!」 「安請け負いをす…」 コルベールはその先を続けることができなかった 渡り廊下が突然、崩れ始めた 原因は明白ッ ルイズの起こした爆発以外にあるものかッ グラァ ドドガァ 男はもとより 前に立ったルイズももろともに下敷きだッ!! ガラ ドォォ ズズン 砂煙が収まった後が見えてくる 男は無事だった あの正体不明の見えない力で防ぎきったものだろう だが、もう一人は かばったために一緒に巻き込まれたルイズはッ 「ル、ルイッ…」 キュルケをはじめとした、クラスメートの何人かが顔を真っ青にした ルイズは横倒しに、瓦礫の下敷きになっていた 肩から上は外に出ているが その下から赤い水溜まりが見え隠れ…大きくなっていた 「ガレキを全部、上に…魔法、使いすぎてるッ 魔力足りないのよッ…… タバサァァーッ 何ぼさっと見てんのォォーッ!!」 「……」 タバサは片手で杖を振り上げ『風×2』を器用に行使する 突風で瓦礫のみを取り除く、おそるべき精密性であった しかし、そうやって重みから解放されたはずのルイズは 「………」 どこからどう見ても、手遅れだった 血溜まりの直径が1メイル近かった まもなく死ぬだろう 誰もがそう思った だから そんな彼女に膝を引きずって近寄っていく男が何をする気なのか 誰も大して気にしていなかった …そして ズギュウウゥゥゥン 「え…」 「あ、あれ?」 逆再生のビデオそのものという、 この世界の誰もが見たことのない光景に、 全員、息を呑む…どころか反応できなかった 崩れ落ちた渡り廊下が全て元通りになってゆき… 横たわるルイズの下には、血溜まりなど、どこにも無かった 「…何、が?」 コルベールが二回、目をこすったとき、 男…元・鳥の巣はその場にグッタリ倒れ伏した 結局のところ、残されたのは謎だけだった 男が再び目覚める、そのときまでは… 6へ
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第二十四話「ラグドリアン湖のひみつ(後編)」 水棲怪人テペト星人 カッパ怪獣テペト カプセル怪獣ミクラス 大蛙怪獣トンダイル 登場 「か、怪獣よ! やっぱり出してきた!」 「ひぃッ! こっちに来るぅ!?」 テペト星人と戦いながら、怪獣テペトに目を向けたキュルケが叫び、ギーシュとモンモランシーは 半狂乱になった。テペトはラグドリアン湖の中央から、ザブザブ水を掻いて才人たちのいる岸辺へと 向かってくる。あれに上陸されたら、才人たちの勝ち目は一気になくなってしまう。 『才人! 俺たちの出番だぜ!』 「ああ!」 ゼロの呼びかけで、才人が懐のウルトラゼロアイに手を伸ばして触れた。だがその時、 「サイトぉ! わたし、怖いッ!」 「おわッ!?」 ルイズが後ろから才人に抱きつき、こっそり場を離れてゼロに変身しようとした彼を引き止めた。 「ル、ルイズ! 離すんだ! 今こんなことしてる場合じゃないだろ!」 このままでは変身できない。慌てて剥がそうとする才人だが、ルイズは余計に強く抱きつく。 「嫌ッ! サイト、どこにも行かないでぇ!」 「ああもうッ! こんな時までぇーッ!」 才人がてこずっている間にも、テペトは少しずつ迫り来ている。 『しょうがねぇ! 才人、こんな時にはアレだ!』 「ああ! 行け、ミクラス!」 仕方なく才人は青いカプセルを、周りに見られないようにこっそり投げ飛ばし、変身できない時の味方、 カプセル怪獣をテペトの前に出した。 「グアアアアアアアア!」 カプセルから出てきたミクラスがラグドリアン湖の水面に足を突っ込み、早速テペトへと 掴み掛かっていく。 「キャ――――――――!」 「グアアアアアアアア!」 テペトと両腕を捕らえたミクラスとの押し合いになるが、ミクラスの力の方が勝り、テペトを 突き飛ばして岸から引き離した。そして口から熱線を吐き、テペトの頭頂部の皿を撃つ。 「キャ――――――――!」 皿を焼かれたテペトは慌てて腰を折り、頭を湖面に突っ込んだ。水で皿を冷やすと頭を上げ、 改めてミクラスと向かい合う。 「グアアアアアアアア!」 ミクラスは水の抵抗を物ともせずにテペトに肉薄し、殴り合いで圧倒する。ミクラスの怪力に テペトは敵わず、一方的に押される。 「今の内に逃げられそうね……。ギーシュ、早く包囲を破ってよ!」 ミクラスが食い止めている中、生き残りのテペト星人にまだ囲まれている一行の内のモンモランシーが ギーシュに頼んだ。と、その時、彼女の頬を赤い舌がペロッと舐めた。 「あら? もう、ロビン。こんな時に甘えてこないでよ」 モンモランシーはそれをロビンと思い、たしなめたが、舌はペロペロ頬を舐め続けた。 「やめてったら! 聞き分けのない子ね」 と言っていたら、ギーシュが何やら顔を真っ青にしてこちらに視線をやっていることに気づいた。 「ギーシュ? 何ぼんやりしてるのよ」 尋ねると、ギーシュは震える手で自分を指差した。いや、よく見ると自分の足元を、だ。 「モ、モンモランシー……君の使い魔は、足元にいるよ……」 「え?」 下を見ると、確かに使い魔のカエルはモンモランシーの足元に控えていた。 「じゃあ、この舌は一体……」 自分の頬を舐めていた舌の正体を訝しむモンモランシー。よく考えれば、ロビンのものだとしても 大き過ぎだ。振り返って後ろを見てみたら……。 「カアアアアアアアア!」 赤い二つの目玉を人魂のように爛々と光らせている、カエルによく似た新たな巨大怪獣が、 地面から首だけ出して舌を伸ばしていた。モンモランシーの頬を舐めていたのは、その怪獣の舌だった。 「ぎゃああああああああああああああああああああッ!!」 モンモランシーとギーシュが絶叫を上げた。才人はすぐに端末で怪獣の情報を調べる。 「あいつは、大蛙怪獣トンダイル!」 その背後では、相変わらず才人にピッタリくっついているルイズが、モンモランシーと ギーシュを足したものよりも大きな悲鳴を上げた。 「嫌ああああああああああああ!! カエルうううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 「うわぁッ!? お、おいルイズ!」 才人の身体からルイズの腕が離れたので、才人が慌てて振り返ると、彼女はコテンとその場に 倒れ込んで気絶した。小さなロビンも怖がるくらいだったので、超巨大なトンダイルを見て、 恐怖のあまり精神を保てなかったのだろう。 「ルイズ! ルイズったら!」 「駄目だぜ相棒。娘っ子、完全に気を失ってらあ」 才人が何度も呼びかけても、ルイズは目を覚まさない。デルフリンガーが呆れて言った。 「カアアアアアアアア!」 トンダイルは土の中から全身を出すと、才人たちには構わず湖の中に入る。そして口から 火炎を吐いて、テペトを追い詰めているミクラスを背後から攻撃した。 「グアアアアアアアア!」 背中を焼かれたミクラスが反り返ってよろめいた。その隙にテペトが持ち直し、反撃を行う。 「キャ――――――――!」 「カアアアアアアアア!」 トンダイルも同時に攻撃を仕掛ける。ミクラスは前後から挟み撃ちで叩きのめされ、一気に 窮地に追い込まれてしまった。 「トンダイルもテペト星人の配下なのか……!」 状況からして、テペト星人はトンダイルも支配下に置いているようだ。ミクラスのピンチに 焦る才人だが、不幸中の幸い、一番厄介だったルイズが離れた。これでゼロに変身できる。 「みんな! ルイズを安全な場所まで連れてく! 気をつけてくれ!」 「分かったわ!」 素早くルイズを背負って仲間たちに告げると、デルフリンガーを片手にテペト星人の集団へ 斬りかかっていった。 「おらおらぁー! どけどけぇッ!」 目の前の敵を斬り伏せて強引に包囲を突破すると、全速力で森の中に姿を隠した。そして湖から 離れたところでルイズを降ろしてそっと木に寄りかからせた。スヤスヤ眠っている姿に、ほっと息を吐く。 「デュワッ!」 満を持してウルトラゼロアイを取り出し、顔に装着して変身した。 「キャ――――――――!」 「カアアアアアアアア!」 テペトとトンダイルは、膝を突いたミクラスを容赦なく叩きのめし続けている。そこに、 森から飛び出したウルトラマンゼロが飛び蹴りの姿勢でラグドリアン湖へ急降下していく。 「ダァー!」 「カアアアアアアアア!」 鋭いゼロキックはトンダイルの頭部に決まり、トンダイルを横転させた。テペトはゼロの 乱入に驚いて、殴る手を止める。 「デヤァッ!」 「キャ――――――――!」 そのテペトの胸の中心にも横拳が入り、弧を描いて吹っ飛んでいく。敵怪獣を湖に沈めたゼロは、 ボロボロのミクラスを助け起こした。 『よく頑張ってくれたな、ミクラス。戻ってくれ』 ミクラスを気遣って、カプセルの中に戻した。それと同時に、トンダイルが水を掻き分けて起き上がる。 「カアアアアアアアア!」 トンダイルは口から、今度は赤い球体をいくつも吐き出してゼロへ飛ばす。これは本来 獲物を中に閉じ込め、冬眠中の保存食にするためのトンダイルカプセルだ。武器としても 使うことが出来るようだ。 『はッ! こんなヒョロ玉食らうかよぉ!』 しかしゼロはトンダイルカプセルを全て素手で叩き落とした。それからトンダイルに一瞬で飛び掛かり、 首元に水平チョップを入れる。 「カアアアアアアアア!」 『おらおらぁッ!』 早く鋭いチョップでひるませたところで、でっぷりと突き出た腹をボコボコに殴る。トンダイルは ゼロのラッシュになす術なく、大きくたじろいだ。 一見優勢なゼロだが、ここで違和感に気づいた。 『ん? テペトはどこ行きやがった?』 今湖面に立っている敵はトンダイルだけで、先ほど沈んだテペトが浮き上がってこない。 そう思った矢先に、 「キャ――――――――!」 『うおうッ!?』 水中を音もなく移動して近寄ってきていたテペトが、ゼロの足首をすくい上げて転倒させた。 仰向けに倒れたゼロに、すかさずテペトとトンダイルのタッグが覆い被さるように襲い来る。 「キャ――――――――!」 「カアアアアアアアア!」 『ぐッ! こ、こいつら! げぶッ!』 ゼロはテペトに腹部を、トンダイルに顔面を踏みつけられ、湖の中に押し込まれていく。 「ゼロが危ないわ!」 「危ないのはこっちも同じだよぉ!」 キュルケが叫ぶが、直後にテペト星人がまた一人飛び掛かってきたので、火炎で黒焦げにした。 メイジたちは依然としてテペト星人と交戦しており、ゼロを援護する余裕はない。 「キャ――――――――!」 「カアアアアアアアア!」 テペトとトンダイルはそれをいいことに、情け容赦なくゼロを水の中に沈める。テペトが ゼロの腹を散々に殴りつけ、トンダイルが顔を鷲掴みにして湖中にグイグイ押し込む。 すっかり水中に浸かったゼロだが、その瞬間に、彼の沈んだところから赤い輝きが巻き起こった。 『おらあああああッ! 調子づくんじゃねええぇぇぇぇぇぇぇッ!』 「キャ――――――――!?」 「カアアアアアアアア!」 直後に、怒声とともにストロングコロナゼロが超パワーで立ち上がり、その勢いでテペトと トンダイルをはね飛ばした。 即座に起き上がって二人がかり、いや二体がかりでゼロに襲い掛かるが、トンダイルは顎に 拳をもらい、テペトはみぞおちに肘鉄を入れられてあっさりと返り討ちにされた。 『ふんッ!』 更にゼロは二体の頭をむんずと掴むと、引き寄せてゴチン! と激しくぶつけさせた。 互いに頭を打った怪獣たちはフラフラと後ろへ倒れる。 「カアアアアアアアア!」 その内に、トンダイルが四つん這いの姿勢のまま逃亡を始めた。ゼロに敵わないと見ての行動だが、 トンダイルは根っからの人食い怪獣。みすみす逃がす訳にはいかない。 「セアッ!」 ゼロは通常の状態に戻ると、ほうほうの体で逃げるトンダイルの背にワイドゼロショットを撃ち込んだ。 必殺光線を食らったトンダイルは一瞬で爆散した。 トンダイルを倒したらテペトの番とばかりにゼロが振り返る。すると慌てたテペトが、 予想外の行動に出た。 「キャ――――――――!」 両手をこすり合わせて頭をペコペコ下げ、許しを乞い始めたのだ。 「怪獣が命乞いしてるわ……」 「呆れた……」 その光景を見たキュルケとタバサが、冷めた視線を送った。 「……」 ゼロは無言で腰に手を置き、テペトのことをじっと見つめる。テペトはすがりつくように、 黙ったままのゼロを拝み倒すが、 深く頭を下げた瞬間に、皿から怪光線を発射した! 『おっと!』 しかしそれは、ゼロが咄嗟にバツ印に組んだ腕にガードされた。それを見て、テペトは後ろに 倒れ込むと水中に潜り込み、泳いで逃げ出した。 『そんなしょっぱい騙し討ちに引っ掛かるかよぉ!』 言い放ったゼロは頭からゼロスラッガーを放り、水中に潜り込ませる。直後にザシュッ! と気持ちのいい音が鳴り、ふた振りのスラッガーが湖から飛び出してゼロの頭に戻った。 その後に、スラッガーに十字に切り裂かれたテペトの破片が四つ浮かび上がってきた。 「最後!」 ゼロが二体の怪獣を倒すのと、タバサが最後に残ったテペト星人にとどめを刺したのは ほぼ同時だった。地上に現れた敵が全て倒れると、ラグドリアン湖よりテペト星人の円盤が浮上し、 空へ向けて飛び上がる。このまま宇宙へ逃れようというつもりか。 「ジュワッ!」 しかしその円盤も、エメリウムスラッシュを受けて木端微塵に吹き飛んだ。敵を全滅させたと 判断したゼロは、空の彼方へと飛んで去っていった。 「みんなー。大丈夫だったか?」 元に戻った才人は、未だ眠り込んだままのルイズを背負い、岸辺へと帰ってきた。するとギーシュが咎める。 「遅いぞきみ! 敵はとっくにこのギーシュ・ド・グラモンが片づけてしまったよ」 「あんた、ほとんど何もしてなかったでしょ」 さっきまでの恐慌ぶりがどこへやら、見栄を張るギーシュにキュルケがツッコミを入れた。 そんな漫才のようなやり取りは置いておいて、モンモランシーが湖に目を向けて皆に呼びかける。 「みんな! 精霊の気配が戻ったわ!」 「本当か!? 良かった! これでルイズを元に戻せるな!」 それを聞いて、才人が一番喜んだ。 「水の精霊が戻ったのと、涙をもらえるかどうかは別の問題よ」 「細かいことはいいよ! とにかく、早く呼んでくれ」 才人に急かされて、モンモランシーがもう一度ロビンを湖中に送った。すると今度は、 水面が盛り上がって、水がアメーバのような形になった。これがモンモランシーの言う、 水の精霊らしい。 「水の精霊。わたしはモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。 水の使い手で、旧き盟約の一員の家系よ。覚えていたら、わたしたちにわかるやりかたと 言葉で返事をしてちょうだい」 モンモランシーが呼びかけると、盛り上がった水はぐねぐねと形を変え、モンモランシーそっくりの 姿になった。才人は驚いて目を丸くした。 「覚えている。単なる者よ。貴様に最後に会ってから、月が五十二回交差した」 水の精霊はモンモランシーに答えると、彼女が何か言う前に言葉を紡いだ。 「まずは、貴様たちが我を捕らえ、我を支配しようとした、この世界とは異なる外の世界から 現れた異な者どもを退けたことについて礼を言おう。我は湖の奥深くに身を隠しながら、全てを見ていた」 「水の精霊がお礼! そんなの、滅多にないことよ」 モンモランシーが驚愕してつぶやくが、才人は水の精霊の発言に関心を持った。 「それって、テペト星人のことか? やっぱり、あいつらがいたからあなたは隠れてたんだ。 テペト星人は、あなたを捕まえようとしてたんだな」 聞き返した才人に、水の精霊が肯定する。 「そうだ。あの異な者どもは、この世界の理とは異なる不可思議な力を用いて、我を支配しようとした。 当然我は抗ったが、奴らは水を阻む鋼鉄の船から出てこなかった故に、我は手出しが出来なかった。 そのため、我は身を隠す以外になかった」 「水の精霊は、水に関しては万能だけど、相手が水に触れなかったら無力なの。そこを突かれたのね」 モンモランシーが補足説明を入れた。 「テペト星人、そういう目的でここに潜んでたのか……。もし水の精霊が操られてたら、 大変なことになってただろうな」 「侵略者の魔の手って、精霊にまで及んでたのね……。今回は失敗だったけど、ぞっとするわね……」 才人とキュルケのひと言で、一同は背筋を寒くした。しかし今は才人たちに、最優先の目的があるのだ。 モンモランシーが頼み込む。 「水の精霊よ、お願いがあるの。あなたの一部がすぐに必要なの。わけてはもらえないかしら?」 その頼みを、水の精霊は快く引き受けた。 「よかろう。貴様らは我を脅かす者どもを退治した。その恩に報いるのが道理」 「やったわ! 精霊にお願いを通すのは、本当はとても難しいことなのよ。わたしたちは、 ある意味ラッキーだったわね」 水の精霊が細かく震えると、ぴっ、と水滴のように、その体の一部がはじけ、一行の元へととんできた。 それが『水の精霊の涙』だ。ギーシュが慌てて持ってきた壜で受け止めた。 水の精霊は用を済ませると、すぐに水底に戻っていきそうになった。だがそれをキュルケが呼び止める。 「ちょっと待った! アタシとタバサは、実はもう一つあなたに用があるのよね」 「え? そうだったんだ」 才人らが驚いた顔をしていると、水の精霊が戻ってきて、キュルケに問い返した。 「なんだ? 単なる者よ」 「あなたが湖の水かさを増やすのを止めて、この辺りの洪水を引いてもらいたいのよ。あー…… 水浸しになったせいで、タバサの領地に被害が出てるから、元に戻すようにとの使命も受けて アタシたちは来たのよ」 確かに、時期的に考えて、洪水とテペト星人の襲来は別問題。このままだと辺りの土地は元に戻らない。 だがキュルケの頼みは、水の精霊は断る。 「ならぬ。貴様らへの恩は、先ほどのもので返した」 だがキュルケは引き下がらない。切り込み方を変えてみる。 「だったら、水かさを増やす理由を教えてくれない? アタシたちに解決できることなら、 なんでもするから」 それを聞くと、水の精霊は少し間を取ってから、返答した。 「お前たちに、まかせてよいものか、我は悩む。しかし、お前たちは我への脅威を取り払った。 ならば信用して話してもよいことと思う」 前置きしてから、水の精霊は理由を語り出した。 「数えるほどもおろかしいほど月が交差する時の間、我が守りし秘宝を、お前たちの同胞が盗んだのだ」 「秘宝?」 「そうだ。我が暮らすもっとも濃き水の底から、その秘宝が盗まれたのは、月が三十ほど 交差する前の晩のこと」 おおよそ二年前ね、とモンモランシーが呟く。 「我は秘宝を取り返したいと願う。大地を水が浸食すれば、いずれ秘宝に届くだろう。 水がすべてを覆い尽くすその暁には、我が体が秘宝のありかを知るだろう」 「な、なんだそりゃ。気が長いやつだな」 途方もないほど時間の掛かるやり方に、才人が呆気にとられた。 「我とお前たちでは、時に対する概念が違う。我にとって全は個。個は全。時もまた然り。 今も未来も過去も、我に違いはない。いずれも我が存在する時間ゆえ」 水の精霊の目的を知ったキュルケがうなずく。 「分かったわ。だったらアタシたちでその秘宝を取り返してあげるわ。それでいいでしょ、タバサ?」 タバサもコクリとうなずいた。それからキュルケが肝心なことを聞く。 「なんていう秘宝なの?」 「『アンドバリ』の指輪。我が共に、時を過ごした指輪」 「なんか聞いたことがあるわ」 モンモランシーが呟く。 「『水』系統の伝説のマジックアイテム。たしか、偽りの生命を死者に与えるという……」 「そのとおり。死は我にはない概念ゆえ理解できぬが、死を免れぬお前たちにはなるほど 『命』を与える力は魅力と思えるのかもしれぬ。しかしながら、『アンドバリ』の指輪が もたらすものは偽りの命。旧き水の力に過ぎぬ。所詮益にはならぬ」 「そんなシロモノを、誰が盗ったんだ?」 「風の力を行使して、我の住処にやってきたのは数個体。内の一人が、こう呼ばれていた。 『クロムウェル』と」 「聞き間違いじゃなければ、アルビオンの新皇帝の名前ね」 キュルケのひと言で、才人たちは嫌な予感を覚えた。アルビオン新政府と、侵略者が与しているのは、 タルブでの一戦で明らかになったこと。もし『アンドバリ』の指輪をクロムウェルが盗んだのなら、 当然それは宇宙人たち、延いてはヤプール人の手元に……。 「偽りの命とやらを与えられたら、どうなっちまうんだ?」 「指輪を使った者に従うようになる。個々に意思があるというのは、不便なものだな」 「とんでもない指輪ね。死者を動かすなんて、趣味が悪いわね」 呟いたキュルケが、水の精霊に請け負う。 「分かったわ! その指輪を取り返してくるから、水かさを増やすのを止めて!」 水の精霊はふるふると震えた。 「わかった。お前たちを信用しよう。指輪が戻るのなら、水を増やす必要もない」 「いつまでに取り返してくればいいんだ?」 「お前たちの寿命がつきるまででかまわぬ」 「そんなに長くていいの?」 「かまわぬ。我にとっては、明日も未来もあまり変わらぬ」 そう言い残すと、水の精霊はごぼごぼと姿を消そうとした。 「待って」 その瞬間、タバサが呼び止めた。その場の全員が驚く。タバサが他人を……、いや人じゃないけど、 呼び止めるところなんて初めて見たからだ。 「水の精霊。あなたに一つ聞きたい」 「なんだ?」 「あなたはわたしたちの間で、『誓約』の精霊と呼ばれている。その理由が聞きたい」 「単なる者よ。我とお前たちでは存在の根底が違う。ゆえにお前たちの考えは我には深く理解できぬ。 しかし察するに、我の存在自体がそう呼ばれる理由と思う。我に決まったかたちはない。しかし、 我は変わらぬ。変わらぬ我の前ゆえ、お前たちは変わらぬ何かを祈りたくなるのだろう」 タバサは頷いた。それから、目をつむって手を合わせた。いったい、誰に何を約束しているのだろう。 才人たちにはとんと見当がつかなかったが、唯一事情を知るキュルケは、その肩に優しく手を置いた。 才人たち一行が水の精霊の涙を手に入れて、学院に帰還している頃。アルビオン大陸の、 新政府の中心地の城にある、皇帝クロムウェルの部屋の中で、クロムウェルと秘書のシェフィールドが 虚空を見上げていた。 するとその虚空が、突然音を立てて割れた。比喩の類ではない。本当に、ガラスを割ったかのように 空中が割れたのだ。そしてその中には、赤く歪んだ空間とその中で蠢く何人もの怪人の姿がある。 それがヤプール人。宇宙人連合をハルケギニア世界に引き入れ、今アルビオンを傀儡としている黒幕の正体だ。 『そうか。テペト星人が散ったか。これで連合も、大分数が減ったな』 ヤプールはテペト星人がラグドリアン湖でゼロに敗れたことの報告を受けた。だがそれを聞いても、 少しも憐れむ様子を見せず、それどころか呆れたように鼻を鳴らした。 『まぁ、どうでもいいことだ。所詮、あんなゴロツキどもにはあまり期待を寄せてなかった。 超獣を十分に育成するまでの繋ぎだ』 「それで、我が支配者よ。次はどのような手を打たれますか? このままウルティメイトフォースゼロに 大きな顔をさせておいては、人間どもが発するマイナスエネルギーが低下するものと思われますが」 クロムウェルが淡々と呟くヤプールに指示を仰いだ。 しかし、本物のクロムウェルはとっくに処分されている。成り代わったナックル星人も、 タルブ戦で息絶えた。だというのに、クロムウェルがまだいる。今度は一体何者が化けているのか。 『我らが支配者! 今度はわたくしめに出撃の命令を! 最早宇宙人連合など、アテにはなりませぬ』 クロムウェルの部屋に、緑色の目をした怪人がどこからか空間転移により現れた。両手は ハサミになっており、頭部には紅葉に似た大きなヒレが生えていて、その派手さにより目を引きつけられる。 この怪人の名はギロン人。どこの星の宇宙人かは定かにはなっていないが、雇われの宇宙人連合とは違い、 ヤプール人に直接仕えて忠誠を誓う異星人なのだ。 『私に超獣を何体かお貸し頂ければ、ウルティメイトフォースゼロなど、軽くひねってやりましょうとも!』 ゼロたちの強さを知ってか知らずか、やたら大きなことを述べるギロン人に、ヤプール人が返答する。 『ならぬ。超獣はまだ育ち切っていない。今のままではウルティメイトフォースゼロには勝てん。 超獣を出すのは、もっとマイナスエネルギーを集めてからだ』 『はッ! 出過ぎた真似を致しました!』 ギロン人はあっさりと申し出を取り下げた。ヤプール人に危ういほどに心酔しているようだ、 と傍観しているシェフィールドは評した。 『しかし、ギロン人、お前には出撃してもらうことにしよう。差し当たっては、こいつらを使うといい』 ヤプール人が片手を上げると、部屋の片隅の鉢植えが突然ガタガタと音を立てて揺れた。 シェフィールドらが目を向けると、その陰から正体不明の物体がいくつか這い出てきた。 「ほう、これらは……支配者よ、また面白いものをご用意されましたな」 シェフィールドは出てきたものが何か知らなかったが、クロムウェルとギロン人には心当たりが あったようだ。ニヤニヤと不気味な笑みを見せている。 『そしてもう一つ。ウルティメイトフォースゼロを釣り出すのに、餌が必要だ。その餌は、 こいつが適任だろう。入ってこい』 更にヤプール人の指示により、扉が外から開かれて金髪の凛々しい顔立ちの、だが顔に 生気が全く見られない、気味の悪い青年が入ってきた。 『まずはこいつを使って、トリステインの新女王、アンリエッタを釣り上げる。それで奴らは 必ず誘き出される。そこを一気に畳んでしまえ! ギロン人!』 『ははぁッ! お任せ下さい!』 背筋を正してヤプール人に応えるギロン人。 その背後に控えた、新しく入ってきた青年は、王党派と貴族派の最後の決戦の折に、 ワルドに殺害されたはずのウェールズ皇太子だった。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第十四話「ひきょうもの!シエスタは泣いた(前編)」 冷凍怪人ブラック星人 登場 トリステイン王女アンリエッタから、帝政ゲルマニアとの同盟に破局をもたらす手紙を アルビオンのウェールズ皇太子より回収する任務を受けて旅立ったルイズと才人たち。 しかし護衛につけられたグリフォン隊隊長ワルドは、『レコン・キスタ』の回し者だった。 ウェールズの命を狙うワルドは才人が一度は阻止したのだったが、宇宙人連合の横槍により、 結局ウェールズの命はワルドに奪われてしまった。そのため、任務は達成したが、 ルイズと才人の心には重い雲がのしかかった……。 「……よっと。これでいいか?」 『ああ、ありがとな。これでミラーナイトといつでも話が出来る』 旅を終えて魔法学院に帰ってきたルイズと才人が最初にしたことは、ゼロの頼みで姿見を 部屋に置くことだった。鏡ならルイズの部屋にももちろんあったが、全身が見えるものの方がいいと ゼロが言うので、新しく購入したのだ。そして今、それを部屋の壁際に設置した。 『ルイズもありがとうな。わざわざ新しく買ってくれて』 「別に礼を言われるほどのことじゃないわ。これくらい……」 ゼロの呼びかけに対するルイズの返事は、どこか暗かった。それを聞きとがめた才人が、 ルイズに尋ねかける。 「ルイズ、まだ皇太子のことを気にしてるのか? まぁ、俺も何とも思ってない訳じゃないけど……」 「……それもあるけど、それ以上に姫殿下のことが気に掛かってるのよ。姫殿下……あんなに 胸が張り裂けそうな顔をなさって……」 ルイズは、アルビオンから帰還してすぐに王宮に向かい、顛末の報告をした際のアンリエッタの顔を 思い出していた。 彼女は最愛のウェールズの死を聞かされて、静かに嘆き悲しんだ。だがそれ以上に、ワルドが 裏切り者だった事実にショックを受けていた。よりによって内通者を使者に選んだことで、 自分がウェールズを殺したようなものだと自らを責めていた。 軍の立て直しが急がれるこの大事な時に、魔法衛士隊の一角の隊長が離反したという事実は、 余計にトリステインの負担になり、アンリエッタの負担につながる。愛する人の死でただでさえ 精神が傷ついている彼女が押し潰されやしないかとルイズは気を病んだが、そんな彼女に アンリエッタは、努めて笑顔を作って言った。 『大丈夫ですよ、ルイズ。あの人は、最期まで勇敢に戦い、死んでいったと言いましたね。 ならばわたくしは……勇敢に戦って生きていこうと思います』 アンリエッタはそう宣言したものの、それでもルイズの心の暗雲は晴れなかった。あの時ウェールズを 最後まで守り抜けていれば……そう考えてしまう。それは才人も同じだった。 二人がいつまでも暗い顔をしていると、それを察したゼロが急に語る。 『ウルトラマンは神じゃない。救えない命もあれば、届かない思いもある』 「え?」 『前に親父たちが言ってたことさ。ウルトラマンは色んな超能力を持ってるが、それでも 何もかもが出来る訳じゃない。時にはどうしようも出来ないことに直面することもあるってな』 父親たちからの言葉を語るゼロは、けど、とつけ加える。 『だからって諦めちゃいけねぇんだ。立ち止まってちゃ、救える命も救えねぇ。たとえその時は救えなくとも、 前に進み続ければ、別の命を救えられるようになるかもしれない。大切なのは、最後まで諦めずに立ち向かうこと。 心の強さが、不可能を可能にするんだってな』 「……いいことを教えてくれるお父さんね」 ゼロの言葉で、ルイズも才人も少しばかり気持ちが軽くなっていた。そうだ、いつまでも ウジウジしていたってしょうがないじゃないか。今は何も出来なくとも、いつか自分たちに 出来ることがやってくるかもしれない。その時のために、今よりも成長することに 力を注ぐ方が大事なのだ。もう悲劇を繰り返さないために……。 『それより今は、ミラーナイトと話をしようぜ。あいつきっと、超空間で離ればなれになってからのことを 知りたがってるだろうしな』 ルイズたちが決心を固めていると、ゼロがそう言って、姿見に向かって呼びかけた。 『おーい、ミラーナイト! 聞こえてるかー!』 『はい。ちゃんと聞こえてますよ』 姿見の鏡面が揺らぐと、その中に等身大のミラーナイトの姿が映し出された。鏡の中に ミラーナイトがいる構図に、ルイズは驚いて小さく声を上げた。 『驚かせてしまいましたか? 改めて、自己紹介させてもらいます。私は鏡の騎士、ミラーナイト。 お二人にはゼロがお世話になっているようで、お礼を申し上げます』 ミラーナイトはルイズと才人に対して深々と一礼した。しかし腰を折っても、身体が鏡面から はみ出すことはない。完全に鏡の中に収まっている。 「これって幻術じゃなくて、本当にこの鏡の中にいるのよね……。鏡の中に入れるっていう ゼロの話は本当なのね……」 『私のことは既にゼロから聞かれてるようですね。ではゼロ、あなたから私に、この星のことを 教えてもらえませんか? 何分やっと到着したばかりで、右も左も分からなくて……』 『おういいぜ! まずは、このハルケギニアっていうところだが……』 ゼロはハルケギニアという星の特色や文化、文明、メイジのことや、この宇宙に到達してから 今日までのことをまとめてミラーナイトに伝えた。 『なるほど、分かりました。この星は、広い宇宙の中でも独特なようですね』 『あぁそうだな。それでここにいるのが、俺と同化してる平賀才人と、それを召喚したルイズ。 そっちの壁に立て掛けてる剣はデルフリンガーって言うんだ』 「あッ、どうも。ご紹介に預かりました、平賀才人です」 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。みんなルイズって呼んでるわ」 「この俺がデルフリンガーさまだぜ! 全くもう一人の相棒のお仲間は、相棒に負けず劣らず仰天人間だな!」 才人たちが名乗ると、ミラーナイトはもう一度礼をした。口調から受けるイメージ通り、 相当礼儀を重んじるタイプのようだ。 『これから長いおつき合いになることかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。 それでゼロ、あなたには私が不在のせいで大分苦労をさせてしまったようですね。申し訳ありません』 ミラーナイトは今までゼロが一人で怪獣、宇宙人と戦っていたことと、ゼロが移動に難儀していたことを すまなく感じていた。 『いいんだよ。しょうがねぇことさ。それより、お前が無事にたどり着いてくれて嬉しいぜ。 危ないところを助けてもらったしな』 『そのことは、ルイズさんのお陰でもあります』 「え? わたし?」 いきなり名前を出されたルイズがキョトンとする。 「でもわたし、あの時何もしてないわよ?」 『いいえ。この星の到着したばかりで、ゼロがどこにいるかも分からなかった時、あなたの声が聞こえたんです。 だから私はあの場に駆けつけることが出来た』 ミラーナイトが説明されたルイズは、指に嵌まった『水のルビー』に目を落とした。一度は アンリエッタに返却しようとしたが、彼女からせめてもの報酬にとそのままもらうことになった。 代わりに、ウェールズの形見である『風のルビー』を渡したのだった。 『あなたのゼロを助けたいと思う気持ちが、私を呼び寄せたに違いありません。感謝致します』 「そ、そんなお礼を言われるほどのことじゃないわ! 頭を上げて!」 礼を述べられたルイズは、特別なことをしていないのにそこまで感謝されて、むしろ申し訳ない気持ちになった。 そうしていると、ゼロが話を切り替える。 『とにかく、これでウルティメイトフォースゼロが一人集結だ! これからはお前も、 ハルケギニアを守る任務についてくれるよな?』 『もちろんです。それに、鏡さえあれば、ゼロも私の能力で現場へと移動できるようにしますよ』 『おぉっし! これで大分楽になるぜ!』 今までの問題が解消するより、ミラーナイトに会えたことの方が嬉しそうなゼロに、 才人とルイズが思わず苦笑した。 『私の力が必要な時は、鏡面に向かって呼んで下さい。いつでも馳せ参じます』 話が済んで、ミラーナイトの姿が鏡の中から消えると、ルイズは才人に向き直り、その中のゼロに向けて言った。 「あの、ゼロ……昨日は、ごめんなさい」 『ん? 急にどうしたんだ』 「昨日はわたし、ひどいこと言っちゃったでしょう。わたしの方こそ、あなたの事情を無視して勝手なお願いして、 当たり散らして……今になって思えば、自分が恥ずかしいわ……」 ルイズは王軍への助力を頼んで、断られたことで怒鳴り散らしたことを冷静になった頭で思い返し、 反省していた。申し訳なさそうな彼女を、ゼロはあっけらかんと許す。 『いいってことさ。俺も同じ立場だったら、無理言ってると分かっててもキレてただろうからな。 むしろお前が辛いのに、何の力にもなってやれず、すまないと思ってる』 「そ、そんな……こっちが悪いのに、そう思われたらほんとに申し訳ないわ」 二人が謝り合う状態になったことで、才人も含めて笑いをこぼす。そしてその件は、自ずと 水に流すことになった。 その後、才人はルイズの部屋を出てある場所へ向かっていた。 『才人、もうじき日が沈むっていうのに、どこに行くんだ?』 「厨房だよ。シエスタにお礼を言いに行くんだ」 シエスタとは、才人が魔法学院に来てからよく世話になっているメイドのこと。才人がこちらの世界で 最初に仲良くなった相手でもある。しかしルイズは、何故か彼女のことをよく思わないらしい。 別に反りが合わないという訳でもないようなのに、不思議だと才人は考えている。 「俺たちが留守にしてる間に、ルイズの部屋の掃除をしててくれてたみたいだしな。それで マルトー親方に、今どこにいるか聞くんだよ」 『そういえば帰ってきてから、シエスタを見てないな。まだ俺たちが帰ってきたのにも気づいてないかもしれねぇな』 ゼロと話し合いながら、厨房に足を運ぶ才人。しかしそこで、料理長のマルトーからとんでもないことを聞かされた。 「ええッ!? シエスタが辞めた!?」 「ああ。我らの剣が不在の間にな……」 ギーシュを倒した才人を、平民の希望の星だと呼ぶマルトーは、はっきりと告げた。 「そ、それってどういうことですか!? シエスタが何かしたんでしょうか……! それか家庭の事情とか」 「いや、そういうことじゃないんだ。胸糞の悪い話なんだがな……」 マルトーは不快そうに顔を歪ませて、事情を話す。 「先日王宮の遣いのモット伯っていう貴族がやってきてな。学院長に用事を告げて、そのまま 帰ればよかったってのに、偶然鉢合わせたシエスタに目をつけると、自分のメイドにするって言って 引っこ抜いていっちまったんだ……」 「何だって!? そんな無茶苦茶な! シエスタの意思は!?」 「もちろんあいつも嫌がってたが、平民の気持ちなんて、貴族にはどうだっていいのさ。 そして平民は貴族に逆らえない。悔しいが、俺たちじゃどうしようも出来ないのさ……」 残念そうにマルトーが語っている間に、才人は歯を食いしばって顔を歪めていた。 「モット伯? ああ、僕も噂には聞いたことがあるよ」 シエスタを連れ去ったモット伯の情報を得るため、才人はギーシュを捕まえてモット伯のことを尋ねた。 「『波濤』の二つ名を持ち、王宮の勅使の役を任されるほどの貴族さ。ただ、相当な好色家で、 あちこちで若く美しい平民の娘を買い入れて、自分の屋敷に囲ってるそうだ。特に最近は 頻度がひどいって話を聞いてるね」 「そうか……ギーシュ、お前みたいな奴なんだな」 「一緒にしないでくれないか……? 僕は無理強いはしないよ。か弱き女の子は、優しく愛でるものさ」 相変わらず歯の浮くような台詞を臆面もなく言うギーシュである。 「それでまさか、そのシエスタというメイドを取り返そうというつもりかい? やめた方がいいよ。 評判は良くないといえ、モット伯は王宮に直々に仕えるほどの貴族。平民の君にどうこう出来るものじゃないんだ」 「出来る出来ないじゃないんだよ! シエスタのためなんだからな!」 「……まぁ、警告はしたからね」 熱く語る才人に閉口したギーシュは、ふと思い出してつけ加える。 「あッ、そういえば、モット伯がゲルマニアの貴族が家宝にしてる、この世に二つとない 珍しい書物も欲しがってるって話を聞いたことがあるな。もしかしたら、それがあれば話は別かも……」 「何だって!? その貴族ってのは一体誰だ!?」 「うわわ!? や、やめてくれたまえ君!」 興奮した才人がギーシュを揺さぶったので、ギーシュは目を白黒させる。 「ぼ、僕も詳しいところは知らないんだ。それによく考えれば、ゲルマニア貴族の家宝を 手に入れるなんて土台無理な話だよ。今のは忘れてくれ」 「くそッ……まぁとにかく、色々と教えてくれて助かった。最後に一つ、モット伯の屋敷の道順を教えてくれ」 ギーシュより屋敷までの道のりを聞き出すと、才人は彼から離れた。 「道筋は分かったけど、実際問題どうするか……見当がつかないな。ゼロ、何かいい方法はないか?」 『難しいな……。この星の住人が相手じゃ、ウルトラマンの超能力を使う訳にはいかない。 あくまでこの星のルールに則らないといけないんだが……』 「方法はないか……。けど、とにかく行動しないと始まらないよな!」 手段は思いつかなかったが、才人はモット伯の屋敷に向かうことに決めた。だがちょうどその瞬間に、 角の陰から呼び止められる。 「ちょっと待ちなさい。ご主人様を放ってどこに行くつもり?」 「うわッ、ルイズ!? どうしてここに?」 陰から顔を出したのは、他ならぬルイズだった。 「妙に戻るのが遅いから、捜しに来たのよ。全く手間を掛けさせて……。まぁそれより、 モット伯のところへ行くつもりなんでしょ?」 「ま、まさか今の話聞いてたのか?」 無言で肯定したルイズは、ハァとため息を吐く。 「向こう見ずにも程があるわね。ギーシュも言ってたけど、モット伯は貴族よ? 今回ばかりは 力押しじゃどうにも出来ないでしょうし、平民のあんたじゃお目通り出来るかどうかも定かじゃないわ」 「けど、シエスタが! このまま黙ってることなんて!」 「ちょっと落ち着きなさい」 焦る才人を制して、ルイズが告げる。 「しょうがないから、わたしが一緒に行ってあげるわ。公爵家のわたしが相手なら無視は出来ないはずよ。 そしたら、交渉の余地もあるわよ」 「えッ、ほんとか!? 本当に協力してくれるのか!?」 申し出に大喜びする才人だが、直後に不思議がる。 「でも意外だな。お前ってシエスタのこと好きじゃなさそうなのに、力を貸してくれるなんて」 「確かに、あの子のことはあんまり気に入らないけど……不必要にサイトにベタベタするし……」 途中のひと言は、聞こえないように小声で話すルイズだった。 「でも、だからって放っておくのは目覚めが悪いわ。それにあんたはアルビオンへの旅で いっぱい頑張ったし、そのご褒美代わりよ」 「そうか! とにかく、ありがとうなルイズ!」 「お礼を言うのは早いわよ。メイドを取り返してからにしなさい」 非常に嬉しそうな顔を見せる才人を一瞥したルイズが、次のように思う。 (そうよ。サイトとゼロには何度も助けてもらってるんだから、せめてこういうところじゃ 力になってあげないと……) 才人とゼロにどんな力があろうと、貴族社会の中では無力に等しい。だから二人の代わりに力になろう。 今の自分では、そういうことでしか役に立てない……と、とにかく才人とゼロの役に立つことを望むルイズは考えた。 それからモット伯の屋敷へ急行したルイズと才人は、門番に話をつけて、屋敷の中に立ち入ることに成功した。 「うわッさぶッ! 何だってこんなに寒いんだ? 夏でもないのに、冷房効きすぎじゃないのか?」 門をくぐってエントランスホールに踏み込んだ才人は開口一番に、身体を震わせつつ言い放った。 屋敷の中は、明らかに外よりも冷え込んでいるのだ。 「レイボウが何かは知らないけど……確かに変ね。水系統の魔法でも暴発させたのかしら?」 ルイズも身震いしながら疑問に感じていると、二人の面前に問題のモット伯が、執事風の格好の老人と うら若き乙女を従えながら屋敷の奥よりやってきた。 ルイズと才人は、その内の乙女、もっと言えば彼女の格好に目を引きつけられた。ハルケギニアでは 見たことのない純白の衣装を纏っており、ルイズはどこの民族衣装だろうと考えた。 だが才人はその衣装の正体を知っていた。日本の伝統的な着物そのものなのだ。だが、 当然この世界に日本は存在しない。ならあの着物はどういうことか? その疑問を考える間もなく、 モット伯が口を開く。 「そなたがヴァリエール家の三女か。こんな夜更けに、どのような御用で」 非常に抑揚のない、冷たさすら感じられる口調だった。この屋敷の中の気温より冷たいかもしれない。 (変ね……学院で遠巻きに見ただけだけど、こんな人だったかしら。顔色もやけに悪いし…… もっとも、それはここの衛兵たちも同じだけど) モット伯や周りにいる衛兵たちの様子を観察していぶかしむルイズ。そろいもそろって 青白い顔を並べており、比較的血色がいいのは老人と女性だけというありさまだった。 しかし今はそんなことを考えていても仕方ない。気を取り直して口を開く。 「突然のご訪問をお許し下さい。実は、伯爵に折り入ってお願いがございます」 「それは一体何か」 「伯爵が学院よりお連れになった、シエスタという名のメイドをお帰しいただきたいのです。 彼女はわたしの使い魔がよく世話になっている娘ですので、急にいなくなられると困ると 使い魔が申しております。代わりに伯爵のご要望を、ヴァリエールの名の下に何でもお叶え致します。 どうぞ、お願い出来ませんでしょうか」 へりくだった態度で頼み込むルイズ。しかし、 「断る。今の私が求めるのは若い娘のみ。それ以外には何も求めぬ。帰るがよい」 「なッ……!?」 交渉する余地もなくはねつけられたことで、ルイズも才人も絶句した。上手く行かないかもしれないとは思ったが、 ここまで頑なな態度を取られるとは思わなかった。 「ち、ちょっと! 少しは考えてくれてもいいじゃないですか!」 必死に食い下がる才人だが、彼が口を開くと、モット伯は汚らしいものでも見るような目つきを向けた。 「黙れ。平民風情が、貴族の私に盾突こうというのか。衛兵、その男を叩き出せ」 「うッ!?」 モット伯の命令で、あっという間に衛兵が才人を掴んで、槍を向けた。想像以上の暴挙に ルイズが慌てていると、モット伯の前に黒髪でそばかすが目立つが整った顔立ちの 若いメイドの少女が飛び出てきた。彼女こそ、問題の中心のシエスタだ。 「お待ち下さい! 伯爵、この者をお許し下さい! 私が代わりに罰をお受けしますので、どうか!」 隠れて話を聞いていたシエスタは、すぐに才人への許しを乞うた。だがモット伯は態度を緩めない。 「邪魔だ。たかだかメイドが、お前も私に逆らうというのか!」 「あうッ!」 あろうことか、モット伯はシエスタを足蹴にした。これにはルイズも怒りを爆発させた。 「伯爵! いくら平民でも、何の罪もない娘に何て振る舞いを! すぐに謝りなさい!」 声を荒げて怒鳴ると、ルイズにも槍の穂先が突きつけられた。 「ちょッ!? ど、どういうつもり!? わたしに手を上げるなら、ヴァリエール家が黙ってないわよ! それでもいいの!?」 普段は出さない家の名前で脅しを掛けることまでするが、そうしたらモット伯に代わって老人がルイズを嘲った。 「黙れ黙れ、所詮は小娘が! 伯爵は今や、そんなものなど全く怖くないほどの力を得られたのだ! 痛い目を見たくないのだったら、このまま黙って帰るがいい!」 「何ですって……!?」 ルイズはたかが使用人が自分に向かって無礼な物言いをしたことより、その内容に耳を疑った。 公爵家の権威が怖くない力とは、どういうことなのか。おかしい。入った時点で思っていたが、 この屋敷はおかしいことだらけだ。 「ちょーっと、お待ちなさいな!」 危機的状況にルイズと才人が冷や汗を垂らしていると、急にこの場には似つかわしくないほど 明るい声が響き渡り、同時に門が外から勢いよく開かれた。そうして立ち入ってきた人物の顔を見て、 ルイズが唖然とする。 「キュルケ!? あんた、何でここに!?」 燃えるような赤い髪は見紛うはずもない、キュルケである。相変わらずタバサが同行しているのは、 シルフィードに乗せてもらったからだろう。ルイズの問いかけに、キュルケはしれっと答える。 「今日旅から帰ったばかりなのに、サイトがギーシュからモット伯爵の話を根掘り葉掘り 聞いてるところを目にしてね。これは何かあると思って、つけさせてもらってた訳」 「ちょっと! また野次馬根性出したってことね!?」 「まぁまぁ、今はそんなこといいじゃない。それよりモット伯爵」 ルイズを適当にあしらうと、キュルケはモット伯に向き直って、服の下から包みに覆われた何かを取り出す。 「聞けばあなた、我がツェルプストー家の家宝をご所望なんですって? ここにあるから、 それでお手打ちにして下さらないかしら?」 「え? 家宝って……まさかギーシュが言ってたゲルマニアの貴族って、キュルケのところだったのか!?」 かなり身近にいたことに、才人は思い切り面食らった。 「これは昔、あたしのおじいさまが、あるメイジが偶然何処かから召喚したものを買い取ったものなの。 あたしも中身を見たけど、ほんとにこの世に二つとないような珍しい本で、特に伯爵のようなお人が 欲しがりそうなものだったわ。だからこれに違いないと思って、嫁入り道具として渡されたこれを持ってきたって訳」 「い、いいの? 家宝をそんな簡単に交渉材料にしちゃって」 キュルケのことを毛嫌いしているルイズも、さすがに戸惑った。だがキュルケはあっさりとしている。 「字は読めなかったけど、載ってる挿絵だけならあたしには必要のない内容だったし、別に構わないわ」 「……断る。今の私に必要なものは、生身の娘だ。書物など、どうでもよい」 求めていたはずの書物を引き合いに出しても、モット伯は断固として譲らなかった。 しかしキュルケは下がらない。 「まぁそう焦らないで。中を見てからご判断なさっても、遅くないんじゃないかしら?」 と言いながら、包みを外して、中身を皆の目に披露した。その瞬間、才人が思わずつぶやく。 「えッ!? あれって、エロ本じゃ……」 書物の正体は、女性のあられもない姿が表紙になっている、ひと昔前のエロ本に間違いなかった。 予想外すぎる正体に才人が言葉をなくしていると、それに反応した者がもう一人いた。 「何!? それは地球の書籍か! 何故この星に?」 「……え?」 おかしなことを口走った老人に、ルイズや才人、キュルケらの視線が集中した。そうすると、 老人は途端にしまったという表情になる。 『才人、あいつもしかして……』 「ああ。俺も今そう思った」 ハルケギニア社会では耳にしない単語が飛び出たことで、ゼロも才人も老人の正体を勘ぐった。 そのため才人は、確信を得るために、こっそりウルトラゼロアイをガンモードで取り出して 老人に突きつける。 「おいあんた。これが見えるか?」 「ぬッ!? 貴様まさか! おのれッ!」 ウルトラゼロアイは、この星の住人では武器になるものとは想像できない形状なのにも関わらず、 老人は明らかに用途が分かっている反応を見せた。これで確定だ。 「お前人間じゃないな! 正体を見せろッ!」 「ぐわぁッ!」 トリガーを引いて光線を浴びせると、それにより老人の姿が揺らぎ、黒い身体に白い顔面、 ギョロリと剥いた大きな眼球に赤鼻が目立つ怪人の姿に早変わりしていた。 「そ、その姿は! もしかして!」 ルイズたちがこの変化に驚愕していると、正体を現した怪人は名乗りを上げた。 『バレてしまったならしょうがない! 私は宇宙人連合の一人、土星からやってきたブラック星人だ!』 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔